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本質を見極めろ。


本質をとらえろ!!
うわべや見た目でない!!
常に物事の本質を!!
そうすれば…
おのずとトリックの本質が見えてくる…


杉本亜未「ファンタジウム」第3巻より


「ファンタジウム」は以前にも紹介したように、
少年マジシャン長見良が主人公の漫画だ。
主人公が天才という設定でありながら、
長見良は世の中に対してどこか心を閉ざしていて、
それは生い立ちと難読症という病気のせいかもしれないのだが、
まるで重苦しい通奏低音のように、
物語全体を通してどこか寂しさの漂う作品である。

冒頭の言葉はチェコ亡命のアメリカの有名マジシャン、
スミスが長見良に語った言葉だ。
細かい事を言えば最後の「本質」は違う言葉が良いと思うのだが(笑)、
もちろんそんなことはどうでもいい。
そして「マジシャン」を何に置き換えても機能する言葉だと思う。

思考停止せずに、どこまで遡れるか?

特に仕事をしていて思う。
話が来た時点の情報はだいたい誰かの色がついていて、
それは余計で軽はずみなバイアスだったりする。
疑わずに、話のままに進めてしまうと、
もともとの道筋が間違っていたりすることもあるのだ。
あるいはコストがかかりすぎる非効率な道かもしれないのだ。

だから疑ってみる。
ただし人ではなく情報そのものを。

できるだけ遡って解体することができれば、
あるいは「意表をつく正解」が導きだせるかもしれない。
それはほとんどオリジナルと呼ばれる見え方になってくれるかもしれない。
そう思う。


もうひとつ、この漫画の同じ3巻における言葉で、
印象的なものがあった。
誰かのセリフというわけではない。
それは、

「心から話すと、相手はそれを感じてくれる」

といった意味のものだ。
業界で悪いウワサの絶えない、いかがわしいプロデューサーでも、
嘘偽りの無い、本気の言葉は相手の心にそれなりに届いてしまう。
これも非常によくわかる。
そのままの魂をぶつける、というか…。
会話とは、言葉の選び方だけではないからだ。


というわけで「ファンタジウム」の最新刊、早く出ないかな。
by shinobu_kaki | 2010-04-27 07:43 | 言葉は踊る。

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by Shinobu_kaki
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