桑田佳祐「マネ」

あのね、マネってのがあるでしょ。マネ。
俺、あれはいいと思うんだ。
最近、そう言えるようになってきたの。
確かにマネって言うとさ、すごく、こう、曲がって聞こえるけどね、
じゃ何だっていうんだよ、と。
何でもマネじゃねーかと思うんだよね。
結局はどういうものができあがるかってのがポイントなわけじゃない。
美しいものができあがるかどうか、と。
混血の人みたいなものでさ。
ほら、たとえばプエリトルコ人と白人のハーフの女のコとかさ、
あれだってマネみたいなものじゃん。
だけど、かなり美しいものができてるじゃないかって気がするのね。
あれは文化だと思うんだよね。
あとは方法論なのかな。表現力。
マネだって言われるか、美しいって言われるか…
要するにハマってるかハマってないか、
これは紙一重だと思うの。表現の仕方ひとつだね。
それがポップ・ミュージックのファション性じゃないか思うんだけどね、俺は。
つまり、どうころぶかによって、美しくキマるか、クサくなるか…。
そういうのはあるけどさ、でも、
結局は影響されるってことでしょ、マネするってのは。
で、俺が何かのマネして作りあげたものは、
やっぱり俺のものなんだよね、ぜったい。
べつに自己弁護するわけじゃないけど、
だから他人から“パクっただろ?”と言われるほど
浅くないと思うんだよね、俺も。
もっとその辺のロマンだとかを称えてほしいね。


桑田佳祐インタビュー集「ロックの子」(講談社)より.1987年
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Tracked from 音楽的B型ライフのススメ at 2004-12-02 02:33
タイトル : パクリズム考
なっちの盗作騒動がワイドショーを賑わす中、シノブ氏の記事にTバック。 気に入った歌詞をノートに書き留める、というのは実はオレも高校時代によくやっていました。 あ、でもその時はノートじゃなくて机に書いて、それを定時制で同じ席の女の子がみてたまにコメント...... more
Commented by あちゃ at 2004-12-01 11:14 x
ある世界で認められている方って似たようなこといいますよね。iモードで有名な松永さんも、「まずは言葉を咀嚼するところから始まる」って「iモード以前」でだったかな、書いておられました。そして、どんどん使っていくうちに、経験とかが加わって、自分の血肉となって、そして、自分の言葉になる。相手に伝わる言葉になるんだよみたいに書かれていたような気がします。桑田佳祐の世界知りたいなぁ。本とかもし知っていたら紹介してください。
Commented by のこのこ at 2004-12-01 13:05 x
うん、たしかに。最初はマネ。とにかくマネ。
自分とは違ういくつかのものを完璧にマネできたらものすごい実力がついてるってもんですよね。 オリジナリティは他人の要素を受け入れていつでも使えるような引出しを一杯持ってる人から生まれてくるもんだと思うし。
一流な人って一流になってからももとにかく片っ端からマネしつづけるよね。マネ要素をキャッチするのにもおそろしく鼻が利くしねぇ。

一流ってそんな人だと思う。 そこが凡人なワタシと大きく違うところだなぁ、とも思う。
Commented by S24(にっしー) at 2004-12-02 00:08 x
オレ、昔から誰かのまねって大嫌いで、よくバンドのメンバーとケンカしたりしたものです。
「オレはアル・マッケイでもマイケル・ランドウでもないんだ!!」ってな具合に。

要するに他人から「コレをまねしなさい」といわれるのが嫌なだけなんだけどね。
で、専門学校なんか行ってちょいと知恵がつくと要点だけ戴くなんて小技も身につけちゃって。
純粋なまねってソフトバレエの振り付けくらいしかしてない気がする(笑)

ただマネ経験値が少ないと自分の作品を客観的に見ることがヘタクソになるっていうのは29になってやっとこさわかってきました。///
もう手遅れだと思うのであとは己の耳を信じるのみ。
あとは・・・。

みなさーん、嘘でもいーから褒めてくださーい(涙)
Commented by tadashi at 2004-12-02 01:13 x
なっちのまね。あれはダメです。
(まねした方も、された方もしらないけど‥たぶん)

自分の経験で一度ろ過しないと。
なっち、がんばれ~(違います?)
Commented by kuro at 2004-12-02 01:45 x
例えそれがマネであっても、モネであっても(関係なし)、
その人のスタイルに合ってるかどうか、というか、
その「マネもの」に接した時に「元のもの」が思い浮かぶかどうか、
それが思い浮かんだとしても、
mind share 的に「マネもの」が勝ってたら、
それでありだろう、と。

もう既にそれは、よく似た何か別物であって、
新しい何かに進化してる、ということなのかな、と。



法的にはもちろんダメダメだけど、
精巧なニセ物ブランド品なんて、見分けがつかないのであれば、
もうそれは「ブランド品」なのではないか、
と。

それは違う話だな。

そうだな。
Commented by junco at 2004-12-02 07:06 x
お酒のよかいちで有名な、榊莫山先生が、片岡鶴太郎さんをケチョンケチョンに酷評してるのを聞いたことがあります。
「まず基本をやれ」と。
書の世界での基本は、有名な古典の臨書(マネ)から入り、自分のものにしてからやっと、創作ができます。もちろん名跡のバックボーンとなる歴史や人格を勉強するのも大事ですけど。
ってこの辺は、師匠に散々言われたので受け売りです^^;

一流の画家は練習として大家の模写をするし、作家だってそうすると聞きました。どんな世界でも、マネから始まるんですね。
Commented by shinobu_kaki at 2004-12-02 12:59
>あちゃくん

この「ロックの子」はすごいよ。
なんせ買ったのが高校生の時!(15年前!!)
自分の(限定的だが)物持ちの良さにあきれます。
あとは歌詞集とかね。
どれもずいぶん昔の本です。

Commented by shinobu_kaki at 2004-12-02 13:02
>のこのこさん

>一流な人って一流になってからも
>とにかく片っ端からマネしつづけるよね。

シロウトほど「純粋なオリジナリティ」にこだわって、
うんうん長いこと悩んでたりする。
もちろんそこを突き抜けたすごい人は完全に独自だけど、
それはホントに全体のほんの少数、天才レベルの話だから、
とても参考になりませんね。

「すべては編集である」ってあれ正しいですよねえ。
Commented by shinobu_kaki at 2004-12-02 13:08
>にっしー

トラバありがと。

>マネ経験値が少ないと
>自分の作品を客観的に見ることがヘタクソになる

おお、なるほどね。生きた意見です。
マネする対象って、すでに世の中に出て定着しているものであるから、
完成度が高いんだよね。
それは推敲であったり咀嚼であったりのトライ&エラーの果てのもので、
普通にやるとそこのレベルに行くまでえらく時間がかかる。
そういうショートカット的な話以上に、にっしーの言う、
客観性というのは大事だやね。
だいたいこもって作ったものって、独りよがりになりがちだし。
客観性を含んだ完成度の高いものを目指してこしらえる、
その結果にじみ出てくるものがオリジナリティだと思う。
オリジナリティを意識してやってくと、クサイものになりがちだよね。

にっしーのユニット、
Euraはかなりイイ!どんどん行って。いや嘘じゃなく。
Commented by shinobu_kaki at 2004-12-02 13:09
>tadashiさん

その、一部で話題になってる「なっちのまね」って、
僕よく知らないんですよね。
これから調べてみます。ええ、世事にうといんです。
Commented by shinobu_kaki at 2004-12-02 13:12
>kuroさん

>mind share 的に「マネもの」が勝ってたら、
>それでありだろう、と。

そうですねえ。
書かなかったけど、桑田発言にはそういったことも言われてあり。
ウロだけど、
「じゃあビートルズがエヴァリー・ブラザーズのマネしなかったかと。
で、ビートルズを見て俺達が、あ、エヴァリーだと思ったか。
思わない訳ですよ。そういうことなんだよ」
みたいな。

「エヴァリー・ブラザーズ」って知らなかったし、
知らないことを書いてもなあと削りましたが、
まさに。
Commented by shinobu_kaki at 2004-12-02 13:15
> juncoさん

個人的には鶴太郎は好きですが(笑)、
「本物」から見ると許せないのかもですねえ。
あの「器用さ」のみでメジャーに切り込んでいったのは、
すごく勇気があると思ったけど。鶴。

>書の世界での基本は、有名な古典の臨書(マネ)から入り、
>自分のものにしてからやっと、創作ができます。

なるほどー。
やっぱり「基本」がないと、アレンジも独自性もないですもんね。
Commented by えいこ at 2004-12-03 01:23 x
私は出版社でバイト中で、ライター仕事も編集もやっているのですが
ライター志望の人ってまさに「闇雲にオリジナリティ追求」で
空回りしている人が多いと思います。

仕事の場合はまず依頼者側のコンセプトがあって、
ある程度そのフォームに則った形にして(「天声人語」文体みたいな)
その上で初めてその人らしさ、みたいなものが滲み出てくるのだと
思います。

依頼されたものでなくても、そのジャンルの一定のフォームをわかって
「マネ」することからスタートするってすごく大事なことだと思います。

もちろん、桑田氏の言うように、マネで終わらせない!というのもありますが
それはその先のステップで。
by shinobu_kaki | 2004-12-01 10:45 | 言葉は踊る。 | Trackback(1) | Comments(13)

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