照れと才能。

照れるのはよくない。

「照れ」とは実は、「傲慢な自意識」のことだからだ。
「僕は照れ屋なんですよ」という人は、
自分は傲慢で自意識過剰な人間である、と言っているのである。

何かをする場合において、照れているうちはまだ余裕があるし、
対象に対して100%ひたむきに向き合っているとは言えない。

「照れの感覚」と「恥ずかしがる事」はまたちょっと違う。
恥の感覚は必要だし、これを無くすと文字通り「恥知らず」だ。
照れも恥もどちらも自意識のことなのだが、
恥はなんというか「自分を客観的に見る視点」とも言える。
もちろんこの視点を獲得する事は非常に困難で、
自分では客観的になっているつもりでも、
しょせん自分自身は主観でしかない、というパラドックスに苛まれる。

ビートたけしなどに顕著だが、この「もうひとつの視点」をしっかり持つ事、
それはひとえにビョーキである。まともではない。
しかし才能とはそういうもので、人と違うから才能なのだ。
基本的に変わり者で変態なのである。

その才気によって生み出すものが人に受け入れられるかどうか、
境目はそこだけだと思う。才能は不幸と表裏一体だとも言えるだろう。
そして獰猛な才能を飼いならすには、振幅に耐える器が必要なのだ。
じゃないとつぶれることになる。そういう人は非常に多い。

「一発屋」と呼ばれる人たちはこういう輩かもしれない。
作品が、才能が、器からあふれたのではないか。

ところで創作系の仕事してる人って、基本的に照れ屋なんだよね。
どいつもこいつも自意識過剰め。
トラックバックURL : http://kakiwo.exblog.jp/tb/1784911
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from |||||NAVEL||.. at 2005-03-26 13:10
タイトル : ネガティブシンキング?
悩む事は辛い 悩む事は苦しい 目の前の色彩を失い 美しいものが見えなくなる 周りに起こることの不条理や 自分のふがいなさに苛立ち でも怒りや悲しみをぶつけるアテもなく ただただ自分の感情を持て余す 無駄に精神力ばかり消耗し うじうじ悩む自分の醜い姿... more
Commented by どらごん at 2005-03-26 14:22 x
人ってほめ言葉だと思われている言葉を人から言われると照れているような気がします。

「一発屋」と呼ばれるかどうかは、いろいろあるのでしょうが、結局は時代の寵愛を受けられたかどうか、ありていに言ってしまえば、運のあるなしのような気がしまする。その運を呼び込むための努力は必要なのでしょうが。
Commented by shinobu_kaki at 2005-03-26 15:33
上手に褒めるって意外と難しいんですよね。

運。そうですね、時代の必要にフィットしたというか。
それが本人の綿密な計算によるものではなく、
(これができる人はヒットメイカーや名プロデュ−サー)、
「なんかヒットしちゃった」みたいな。
誰とは言いませんが。
でも「東京ライフ」もいい曲だよね。好きよ、僕は。
Commented by のこのこ at 2005-03-26 20:06 x
そうそう。テレちゃうこと自体がハズカシイんだよね。

だけどさー。
テレるって褒められた時とか、自分いとっていいことを誰かが自分に言ってくれたときだよね。だったら、
褒められてテレて「そんなことないよ」とか言うの、みっともない。

ダメダメなくせに傲慢でイヤな奴だな、私、って思っていてもここはやはり「ありがとヤッター!」って喜んで、「じゃ~調子に乗ってがんばるよ!」って言ったほうがカッコイイと思うんだよね。
人生美学ありき。かっこつけてナンボですわ。

>そして獰猛な才能を飼いならすには、振幅に耐える器が必要なのだ。

こんなこと思いついて、というか日頃から感じていてさらっと書けちゃう人ってやっぱし自意識過剰だと思うわよ。  (からかっちゃいけませんね。オホホ)

あなたの才能に乾杯!
Commented by シホ at 2005-03-27 17:11 x
サマセット・モームの「月と六ペンス」を読んだ時、
ちょっと衝撃だった。読んだのもかなり昔だったから内容もずい分忘れてしまったけど、
冷酷非道な部分さというか、非常識な人格。
「人としてこういう人間って存在してもよいのか?」と思ったりして。

>そして獰猛な才能を飼いならすには、振幅に耐える器が必要なのだ。じゃないとつぶれることになる。

変な人にならざるを得ないんだろうなー。
自分の常識と一般世間の世界とのギャップを抱えていくし。
才能って「狂気」というか「凶器」というか。
Commented by shinobu_kaki at 2005-03-28 01:16
>のこのこさん

>「じゃ~調子に乗ってがんばるよ!」って言ったほうがカッコイイ

ああ、こういうのいいですねえ。
自然体でカコイイ。

ていうか僕は、そう、自意識過剰な若者「だった」のです。
ほんと。照れるなあ。
Commented by shinobu_kaki at 2005-03-28 01:19
>シホさん

モームのそれは読んでませんが、
ちょいと興味ありますね。
徹底的に非道な人かあ。

>変な人にならざるを得ないんだろうなー。

あとさ、
「まともな生活をしてる人間が、凄い芸ができるわけがない」
みたいな話もあって。芸人のあれだけど。でも説得力。
Commented by まりか at 2005-03-28 02:53 x
そうか、そういう構造だったのか・・・。
自意識については高校時代ものすごく考えたことがあります。
私がとっても自意識過剰だったので。(現在進行形かなぁ)
「自意識」と「自己認識」は違う、と先生が力説していたなぁ。。

自意識についてだったら、私は『山月記』が好きです。
授業でプリントを貰ってあわせて『人虎伝』も読めたのですが、中国の笑い話を純文学的に昇華した中島敦はすごいと思いました。
名字が名字なので、いつか『トラ』になってしまうのではないかと恐怖したりしました。

あ、『絶対文感』から変わってる! シノブさんセンスいいですよね。
こないだは酔っ払ってつねっちゃってごめんなさいでした(´・ω・`)
Commented by わさ at 2005-03-28 11:41 x
まりかさん、シノブさんをつねったの?!
すげー。

そういえば、きゃしゅのんさんのいわブログ解説で、「照れの意識がベースになっている」って書かれてて、それを同期が読んだらしく、的を射てるね、と言われました。

自意識過剰なのかー。
むー。
確かに自分のことを良くも悪くも分析するのとか、たまにするかも。
そういうこと?
Commented by shinobu_kaki at 2005-03-29 00:22
>まりかちゃん

山月記。フェイバリットです。
最後のフレーズ、「再びその姿を見なかった。」
だけではなく、
実は結構影響受けてたりして。

つねられたっけ?(笑)
なんか胸とかさわられたのは覚えてるけど(笑)
Commented by shinobu_kaki at 2005-03-29 00:23
>わさわさ

うん、わさブログ、「照れ」があるとはオモテタヨ。
まあね。自己分析はいいけど。
わさ子は自意識過剰なのかなあ。わからん。
by shinobu_kaki | 2005-03-26 09:34 | 言葉は踊る。 | Trackback(1) | Comments(10)

移動祝祭日


by Shinobu_kaki
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31