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眠る男と眠れない男。

昼は蝉、夜は蛙。
リビングの窓を開けると聞こえてきていた音が、
涼しげな虫の声に変わった。
どうやら秋である。

元来、夜はぐっすり眠って起きないタイプだ。
寝付きもいい。横になって入眠するまでだいたい1分とかからない。
こういうのは不眠体質の人にとっては頭にくるようで、
「すぐ眠れるっていいわよね」と少し冷淡に言われたりするわけだが、
その言葉の裏には、
脳天気、無思慮、自分勝手、短絡思考といった、
蔑みのニュアンスが込められてる気がする。
と同時に、人間がうまく眠れるというのは存外に大切なことで、
字義通りに「羨ましい」というのもあるのだと思う。
「どこでも眠れる」「深く眠れる」というのは、
おいしく食べられるのと同様、人間が活動するために必要なスキルなのだ。

そんな自分が、最近ときどき寝付けない。
そうでなければ、目覚ましよりも早めに起きてしまい、
もう一度寝ようと思っても眠れないのだ。

なんだか、普段から不安に感じてることを色々と考えてしまうのである。

ただこういう場合の「考える」というのは意味としておそらく正しくない。
「考える」というのはもっと建設的な内容の時に使いたい。
この自分の場合は、ただ不安がっているだけである。何かを恐れているだけである。
いま目の前にあるものではなく、
ネガティブななほうに想像の翼を広げているのである。
それはまったく建設的な行為ではないし、
弱さと言えばただの弱さでしかない。

同時に、それがわかっているからこそ、
今までずっとぐーぐー眠れてきたわけである。
まあ、だいたい眠れないと言っても自分の場合はそれほど深刻な寝不足ではなく、
眠りたい時間からマイナス30分とか1時間とかその程度のものだ。
決して毎日というわけではないしね。

思うに、不安の解消方法というのはただ一つである。
それは、自分に不安をもたらしているものをよく知ることだ。
何でもそうだが、知らないから人は想像してしまうのである。
現実の問題と、自分の現状とのとっかかりが見えないと、人は不安になる。
対処の仕方が見えないからだ。
でも不安要素の内実を知ってしまえば、
あとは具体的にどうするか、もしくはどうもしないか、
自分の姿勢・立ち位置が決められるのである。
それさえ見えれば、望ましい形であっても、あるいはそうでなくても、
その時の自分の感情は少なくとも「不安」ではなくなっているはずだ。

もちろんそうやってあぶり出せる不安ばかりではない。
問題が大きければ大きいほど全体像は見えづらいので、
不安も簡単には解消されない、
つまり自分の立ち位置がなかなか見出せない。
問題設定が分不相応だと、問題は恒久的に解決されないのである。
こういう場合は「扱うべき問題かどうか」ということを考えた方がいい。
そこから間違っている、ということは往々にしてあるからだ。


不安の解消法は一つ、と書いたが、
もう一つあった。
それは、身体を大事にしてやることである。
気持ちの不調は体調からくることが往々にしてある。
美味いものを食べるとか、身体を動かすとか、風呂に入ってリラックスするとか、
マッサージに行くとか、ぐっすり眠るとかである。

特に睡眠は重要で、
ぐっすり眠ることさえできれば、
ぐっすり眠れないほどの悩みは解消したも同然と言えるであろう。
by shinobu_kaki | 2013-09-12 12:33 | ライフ イズ

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