2005年 04月 19日
秋刀魚明太文藝大将。
河出書房の「文藝」を買ったのは2度目か3度目で、以前はリリー・フランキーの特集号だった。長めの対談が3本、「くど監」こと宮藤官九郎、いとうせいこう、そして祖父江慎。テーブルに座って水を半分飲んだところで「大戸や」の店員がコップに水を注ぎ、メニューを持ってくる。青山の「大戸や」は初めて。食欲がない、というのは不正確で、ちょっと最近またダラダラと食べたり飲んだりしてる気がしてしょうがない。習慣で食べてるような感じだ。以前は体重をしぼるに際して意識を少し変えてみた。すなわち「ひとつひとつのアクションを大事にする」というとカッコヨサゲだが、なんというかちゃんと味わって食べるとか、字を丁寧に書くだとか、自分の発している声をもっと意識的に思うとかそういうことで、自分と世界の境目に慎重になるというとカッコヨサゲだが、それは自分をもっと大事にするみたいなことにつながる。お腹いっぱいのくせにラーメンとかを食べるのは間違っているのだ。それに、ちょっと小腹が空いたかなという話であれば、水を飲むとかコーヒーを飲むとか、そんなんで少しは満たされる上に太らない。いや、長いスパンで見れば「食べても激しい勢いでエネルギー消費する体質」を作ることが大事なのだが、チャーシュウ麺よりブラックのほうが太らないのは道理だろう。「秋刀魚明太とろろ丼」という微妙なところを頼んだ。また水を飲むと、すぐに店員が注いでくれた。水は飲んだほうがいい。これで4杯目。これからまた少し絞ります、と宣言してみるがこんな改行もないだらりと長い文章、誰が読んでくれているというのか?
しりあがり氏の多摩美の後輩である祖父江氏の話はいつもとても面白くてたまらない。忙しい祖父江氏は仕事で徹夜が続き、どこだって熟睡できた、仕事してても朦朧として、いま自分がどっち向いて座ってるかわからなくなるんだよね。「北はどっちで、ここはどこだろう」と思いながら印刷物の色のチェックをするんだけど、そのうち黒のはずの文字色が紫やオレンジやらに変わるんですよね。おかしいなって思って顔を上げると、やっぱり自分は会社の中にいて、「ダメだ、眠すぎる。とりあえず外に食べに行こう」って座って注文した途端に寝ちゃって。丼を置かれた音でびっくりして目がさめて、やっとお箸を持って食べようとするんだけど、口に運んでる途中でまた寝ちゃう。それでそのまま口に異物が入ってきてびっくりして目が覚めて、「あ、いま食べてるんだ」ってわかって、何度かその繰り返し。そのうち顔全体がだんだんあったかく、幸せな気持ちになってきてね。そうしたら右腕に何か突っつかれてるような違和感を覚えて、おかしいなと思って目を開けると、目の前に御飯の粒がアップであるの。要するに丼に顔を突っ込んで寝ちゃってたんだよね(笑)…お風呂で8時間寝ちゃったときは自分のダシが出てたものね、なんて読んでると可笑しくて思わずクスリと笑い、いかんと横を見るとリーマン風の男性、気づかれなかったか或いはスルーされたのかわからないけれども彼が読んでいた書物はコンビニで売っている安い単行本の「いなかっぺ大将」だった。いまどき「いなかっぺ大将」の需要があるのがすごいが、供給があるのももっと凄い。驚いた。2時ちょっと過ぎ。一日のうちで一番暑い時間帯だけあって、外に出た瞬間なかなかの。暑さ。