『スタンド・バイ・ミー』あるいは征服としての読書について。

映画を嫌いな人はいないという。

「いや、映画嫌いだよ。まず観に行くのが面倒くさい。それに値段も高い」
という反論がありそうだが、
これは映画が嫌いなのではなくて、
「映画を観るための手続きにハードルがある」ということだろう。

もっと違う定義、そうね、
「映像による物語作品」を嫌いかどうか、かな。
そうすれば答えはもう少し違ってくるのかもしれない。

子供の頃、授業のカリキュラムの一環として、
クラスのみんなで映画を観たことがある。
いくつか覚えている中では、
『ドン松五郎の一生』『零戦燃ゆ』『スタンド・バイ・ミー』
そんなところだ。

『スタンド・バイ・ミー』は長かったので、
2週に分けて観たよね。
みんな感動していた。
確か自分も感動していたと思う。
大人が観てもいい映画だからね、無理もない。

『スタンド・バイ・ミー』はスティーブン・キングの原作で、
もともと奇妙な話なんだけれど、
12歳という「少年期の終わり」を描くロードムービー、
という立ち位置が非常に象徴的で、
乾いた感じの映像も、ラストに流れる主題歌もとても良かったし、
もちろんリバー・フェニックスをはじめとした俳優も素晴らしかった。

こういう記事があった。
映画「スタンド・バイ・ミー」のロケ地の当時と現在を比較した写真20枚
驚くほど変わっていない、というのが印象だし、
多分今後大きく変わるということはないのではないか。
うらびれた日本の田舎がそうであるように。


さて、最初に書いた話についてである。
「映画を嫌いな人はいない」というやつ。
なんでそんなことを言いだしたかというと、
とある本(小説である)を読んでいて、
「映画は観ない人も結構いるだろうが、本を読まない人のほうが多いかもな」
とふと思ったのだった。

映画はテレビ(金曜ロードショーとかああいうやつね)によって、
映画館に行かない人にも触れる機会ができていた。
でも、本を読まない人は何があろうと本を読まない気がしたのだ。

誤解を恐れずに言えば、
映像というのは怠惰な人にも優しいメディアである。
受け身でもってぼんやり触れることも可能であるという意味で。
しかし本はそうはいかない。
ある程度の意志がないと本は読めない。
あるいは意志を必要としないくらい習慣化できている人、
そういう人が本を読むのだと。

自分はいつも何かしら読んでいるといえばいるが、
比較的だらだらと、前に読んだものでも繰り返し読むという感じである。
征服するような読書ではない。
なのでトータルの読書量というのはあまりないはずである。
まあ、こういうのは競うものではないのでいいのだが、
スタンダードをきちんと押さえている早熟な読書家には、
どこか遅れをとってしまっているような気がするのも確かなのである。
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by shinobu_kaki | 2014-12-10 17:36 | ライフ イズ | Trackback | Comments(0)

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