杉本博司とヴィヴィアン・ウエストウッド。

 記事の時間軸が前後するが、土曜日は久しぶりの六本木ヒルズ。50階オーバーの高さから西を見ると、新宿方面は人口の高層ビル群にかぶさるようなくぐもった緑の御苑が見える。そして六本木通りはびっしりと車。脈動は街の血管の如くである。

 杉本博司展「時間の終わり」。ミニマルアート系は脳が疲労する。表現の方法論。モノクロームのひりひり感。しかし「accelerated budda」、三十三間堂の千手観音は現物のほうがなにしろ良い。精巧なる蝋人形を肖像画として撮影した、まるで命を吹き込むような「ヘンリー8世と女たち」。三方を「生きている肖像画」に囲まれた部屋に入ると、彼と彼女たちの血なまぐさい歴史とその最期を知っているものならぞっとするのに違いない。特にロンドン塔に夜な夜な現れる、自らの首を持つ幽霊となったとされるアン・ブーリン。わが妃にも容赦のない残虐苛烈なイギリスの絶対王ヘンリー8世。フランスのような自由・民主の萌芽すらなきヒエラルキーの暗黒面。受け取り手に緊張を強いる、少し疲弊の杉本博司展だった。

杉本博司 時間の終わり

代わって、「ヴィヴィアン・ウエストウッド展」。70年代~90年代を網羅した厳選500展の衣装作品を展示。客層は年代を選ばない。学生からおっさんまで。個人的にはファッションにあまり興味があるではないが、「パンキッシュなババア」であるところのヴィヴィアンの凄さはまあわかる。質と量。妥協しないこととの苦闘。セックスピストルズから後年のエレガンスへのグラデーションは見事の一言。ビデオ・ルームのスクリーンからババア語っていわく「見た人間の既知に訴えるもの、どこかで見た記憶の端にリンクするものが人を感動させる」。ままではないが、こういう意の言。最近別の書なり場所なりでまったく同じことを聞いた。アンカーとなる意識は共通するということ。イメージすることを強要するような杉本のそれに比べ、こちらは脳も疲弊するではない。だが、ファッションは宿命的に退屈だ。

ヴィヴィアン・ウエストウッド展
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Tracked from PUYAN'S BLOG.. at 2005-12-20 21:02
タイトル : ヴィヴィアン・ウエストウッド展&キングコング展(六本木ヒ..
 昨日プーシキン美術館展に行ったあとは六本木に向かいました。目的はファッション大好きな「Field_strawberry」さんから薦められた「ヴィヴィアン・ウエストウッド展」を観たかったから。ファッション系の展示会ってのもなかなか行く機会がないのでいいかもな~。ってことで行ってみました。写真を撮りまくってきてね~ってオーダーだったけど、この手の展示会は撮影禁止なのでなんにもとれないんだよな~。撮れたのは入口のこの一枚だけ。。。しかもあまりに光が明るくてうまく撮れてない。。。すんませんm(__)m。 ...... more
by shinobu_kaki | 2005-12-19 11:19 | ライフ イズ | Trackback(1) | Comments(0)

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by Shinobu_kaki
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