2006年 02月 16日
エッジ・オン・ザ・エッジ
A「今さらってなんだよ、まだ何も終わってないだろ。日本人はひととおり報道されるとすぐ飽きる、出る杭を寄ってたかって打つだけ打って消費した気になってしまう、でも教祖・堀江はひたすら否認したままだし、沖縄で亡くなったあの人も、まだ自殺だか他殺だかはっきりしたわけじゃない」
B「教祖って、オウムじゃないんだから。堀江は麻原か?」
A「でもちょっと印象として似てない?本人じゃなくて、ライブドアがだよ。これは橋本治がどっかに書いてたことでもあるんだけど、いや、真似じゃないよ、最初にテレビで堀江逮捕の報を聞いたとき、僕の第一声は『オウムみたいだ』だった。なんか似てるなって思ったんだ、その後で橋本治を読んだ」
B「具体的にどこが似てると?」
A「うん、カリスマ性のある強引な人物の下に“優秀”と言われるような大学出の人間が集まる、そこがまず似ている。あと引用するとね、『現実社会とはちょっとずれたところにある特殊な知識を振りかざす(一方は宗教、一方は株取引)』『やたらの金が集まっていることを誇示する』『ある世代の人間だけでその集団が形成されている』、以上の四点においてオウムとライブドアは似てると言っている」
B「でもライブドアは企業で、宗教団体ではない」
A「宗教団体じゃないけど、構造としては似ているよ。いまいち得体は知れないんだけど、ミラクルを起こす個人のもとに人間が集まっている。その人に添っていけば、普通と違う人生が待っている気がする、そう思ってしまうんだ、実際ライブドアに入って給料が激減したうえ残業も増えた、そんな人がたくさんいるわけだよ。でもそれは、堀江率いるライブドア帝国はそれだけの魅力があったってことでしょ?近鉄球団の買収騒動にしてからがそうだけど、派手だし、ちょっと奇跡的なくらいに大きくなっていった。堀江が若いのも一役かったよね。マスメディアに出るのにTシャツとか、常識におさまらない感じが魅力に映ったんだろうし」
B「そしてどちらもトップが犯罪を犯していた。そういうことね。関係ないけど企業も宗教も法人登録されていれば法律上は『人』なんだよね。しかし近鉄か…でも、今回の逮捕劇を聞いて球団側は思っただろうね、楽天にしといてよかった~って」
A「間違いないな」
B「まあ、そういう意味では球団上層部は賢明だったということか」
A「でも、ライブドアの、あのなんかわけのわからないパワーは凄いとは思うけどね」
B「過去形でね。『凄かった』。六本木ヒルズの森タワーはちょっとした墓標だよね。ベンチャーバブルの夢の跡。
話変わるけど、オリックスってなんか根無し草的な球団だよね。阪急ブレーブス、オリックスブレーブス、オリックスブルーウェーブ、そして今度はオリックスバファローズだ。なんつうかアイデンティティがコロコロ変わってるような気がして、オリックス球団の純粋なファンってどのくらいいるのかと思っちゃう」
A「日本ハムみたいにリニューアルに成功するといいけどね」
B「清原に中村紀だからねえ。清原もスマートなイメージの当時の西武でずっと四番張ったりしてたりしたけど、中身はバリバリ『岸和田少年愚連隊』だからなあ」
A「イチローがいた頃のスマートなチームカラーがどっかにいってしまった。でもちょっと面白そうだよね。オリックス。清原もものすごい減量に成功してたし。ホームラン何本打つと思う?」
B「25本ってとこじゃない?それよりも岡本太郎デザインのバファローズのマークがなくなったのはもったいない!」
A「残してほしかったけどね。ライオンズの手塚治虫のレオマークは死守したいな」
B「風前の灯じゃないかなあ。日本人は飽きっぽいんでしょ?
で、今日のレコメンドは?」
A「プロ野球ユニフォーム物語。ちょっと高いけど、AMAZONに出てる読者の推薦文を見るとその充実度がわかる。まあ一生もんの資料と思えばいいやね」
B「お好きな人にはたまらんもんがあるでしょう。…あ、ビール空いちゃったね。おかわり頼もうか。またビールでいい?」
A「ドリンクのメニューもらおうかな。おうい、メニュー」
B「おうい、メニュー。…あれ、今日って最初、何の話だっけ?」
A「えーとあれだよ、ライブドア。いいんだよ、もう終わった話だから」