アラビアのロレンス「知恵の七柱」

すっかり暖かい春である。
ハーフ丈のコートを脱いで、今日はジャケットで通勤。
マンションを出ると、今日もまた家の前の桜を撮影してる人がいる。
しかも、三脚を持ち出して本格的だ。
一年の中でも桜が旬といえるのはたったの一週間ほどだが、
今週がそれかもしれない。
桜のトンネルをくぐる駅までの道。10分足らずのちょっとした贅沢。

通勤にはいつも目黒線を使っている。
目黒線は南北線につながり、白金台なども一本で行ける。
さらに麻布十番、六本木(一丁目)、
神楽坂というか飯田橋までも直通している。
あまり意識していなかったが、思いのほかアクセスの良い駅である。
スーパーとレンタルビデオが弱いのが玉にキズだが、
自転車を使えば数分で商店街にたどり着く。
時々「買い出し」をすればいいだろう。

電車の中で読んでいた本に、
T.E.ロレンス(いわゆる「アラビアのロレンス」ですね)の、
「知恵の七柱」は文章的におそろしく難解である、という一節があった。
引用すると、

『なにしろ配下のものどもがその意志の自動性の萎縮を起こさずに、
いつでもすぐさま直属長上の職務をゆずりうけようと心構えていて、
完全な秩序を保持しているという弱い仮説とは無関係に、
また偉大な階級組織の中を円滑にうつっていって遂に二人の
残存兵卒の上級者に受け継がれる指揮の効果となどとは無関係に、
偶発事は起こるものなのである』(第三巻九十二章)

確かに難解というか、まったくわかりません。
もっとシンプルな言い方はないのかよ、と思ってしまう。
こういうやたらめったらに入り組んだ文章を読むと、
矢沢永吉ふうに「僕にもわかるように話してくれよ」とか言いたくなっちゃうね。
ちなみに「柱」というのは神様をカウントするときの単位で、
人なら七人、とんかつなら七枚というように、「七柱」と言うらしい。
まあ、日常使うことなんかほとんどありませんけど。
「ちょっと、あそこの神様を3柱ほど見つくろって持ってきて」とかね。
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Commented by あい at 2006-03-27 17:00 x
こういう文章が国語のテストで出てくると、いやです。

とにかくどんなことがあっても、偶発事って起こるんだよ、
ってことですか?(ほぼ文章無視)。

ロレンスの文が難解なのか、
邦訳した人が難解にさせてしまったのか。

…やっぱり、カツがでてきてますね。

Commented by のこのこ at 2006-03-27 18:51 x
頭の中で翻訳作業完了。
要は
心掛けよい優秀な部下をもち完璧な秩序を保ち、その中で突出した者が正しく台頭して立派に陣営を固めていても不測の事態は起こるものである。
ということか?

一日分の頭使ったな。疲れた。
全然違うかもだけど。
今夜はいよいよラクダ家初のトンカツだ。めでたいじゃないか。
もちろん生パン粉で。
Commented by kuro at 2006-03-27 21:37 x
これって、
やはり原文が難解なので、翻訳もその辺の行間の味を出すべく、
難解に表現したんでしょうかね。
それとも単純に翻訳者のトーン&マナー的なるキャラの成せる業だったのか。

って書いてたら、あら。あいさんが同じ趣旨のことを。
失礼しました…


この文章を30文字以内で表せ、という問題(灘高 2004年)なら、
答えは、
「今日の七柱の神の晩御飯は、偶発的に七枚のとんかつだった」(27字)

で、どでしょか>KATSU師。
Commented by shinobu_kaki at 2006-03-28 00:05
>あいさん

え?カツ?…どこどこ?
やー、うちはトンカツは扱ってませんから!
Commented by shinobu_kaki at 2006-03-28 00:06
>のこさん

ラ、ラクダ家のとんかつが気になります。
写真アップしてくださいねっ。

めでたいぢゃないか。
Commented by shinobu_kaki at 2006-03-28 00:07
>くろさん

>「今日の七柱の神の晩御飯は、偶発的に七枚のとんかつだった」(27字)
>で、どでしょか

ちがいます。

Commented by tadashi at 2006-03-28 00:28 x
レンタルは大岡山のツタヤですかね。
Commented by shinobu_kaki at 2006-03-28 07:08
>sake nomenome

電車乗っていろいろ調達する世界なんでしょうかね。
Commented by colorcube at 2006-03-28 12:42
静かな新しい生活に“難解な方程式”を組み込みますか?
理解しようとする意識が強すぎると全く理解出来ないみたいなw

いずれにせよ途中下車をおすすめします、はい。
Commented by shinobu_kaki at 2006-03-28 15:29
>途中下車をおすすめします

ダ、ダブルないしはトリプルミーニングですか??(笑)
Commented by kuro at 2006-03-28 21:23 x
ええと、では、

「配下のものどもの意志とは無関係に、昼食はとんかつだった」(27文字)

では、どでしょか>かっつー。
Commented by shinobu_kaki at 2006-03-28 21:47
>くろかつさん

>かっつー。

原型がないのですが。

>「配下のものどもの意志とは無関係に、昼食はとんかつだった」(27文字)

いや、文字数は別に…。
Commented by yuton at 2008-04-05 13:10 x
神様を「柱」でカウントするのはギリシャの文化ですね。
オリンポスの12柱という表現があります。
キリスト教やイスラム教は一神教なのでこういう数え方はしません。
そもそも神は一人しかいないのでカウントする必要はありません。
「知恵の七柱」は旧約聖書の「箴言」に次のように記されています。
「知恵は家を造り,七つの柱を立てる」
おそらくロレンスはこのパートを知っていたのだと思います。
ヨルダンにワディ・ラムという今では観光地になってしまったロレンスゆかりの砂漠があります。
そこの管理ゲートの前に「知恵の七柱」と名付けられた岩山があります。
この岩山がロレンス以前からそう呼ばれていたのか,それともロレンスの著書にあやかってそうなったのかは分かりません。
Commented by shinobu_kaki at 2008-04-05 18:03
>yutonさま

コメントありがとうございます。
「知恵の七柱」というタイトルが旧約聖書の「箴言」の、
「知恵は家を造り,七つの柱を立てる」から来ているということは、
確か松岡正剛の「千夜千冊」だったと思いますが、読んだことがありました。
(今、そのページを確認してみました。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1160.html←これですね。)
ちなみに、この松岡氏のページには、
「いつだってロレンスは極端な自己否定にこそ
極端な自己昂揚がありうることを盲信していたようなのだ。
肉体と精神をひたすらヘトヘトにすることが、
ロレンスの唯一の原理であったのだ。」とあります。
あの映画においても描かれていた、ロレンスのマゾヒスティックな面を、
直接的に言い表していると思います。
ヨルダンの岩山は初めて聞きました。その実際にある「七つの柱」を思えば、
やはり「知恵の七柱」の柱とは、物理的なそれということなのですかね。

面白いです。またコメントくださいませ。
Commented by yuton at 2008-04-05 22:09 x
松岡さんの「千夜千冊」をご存知だったのですね。
私もロレンスについて調べていてあのサイトを開いてみました。
よくもまあ,あれだけの詳細な書評が書けるものだと驚きました。
しかも,それが千冊を越えているのですから驚きの3乗くらいです。

現在,ヨルダンのHPを作成中なので調べていると
ロレンスが「知恵の七柱」という表現を最初に用いたのは
1911年の母親宛の手紙の中だそうです。
それは第一次世界大戦で中東に派遣される前のことです。
ということは,ワディ・ラムの岩山はロレンスの著書から命名されたようです。
ロレンスのもう一つの性格は孤独癖でした。
ワディ・ラムは風化した岩山に囲まれた何も無い赤茶けた砂漠です。
ロレンスはここをこよなく愛したと伝えられています。
彼はよくラクダで砂漠に出かけ,静謐な夜の中に身を置いていました。
ロレンスは誰もいない世界で,誰にもジャマされない時間を過ごし
自分の思索にふけることができたのではと想像します。
Commented by shinobu_kaki at 2008-04-07 19:33
>yutonさま

お名前のリンクからサイトを拝見しましたが、
これこそ驚きの3乗と言うか…すごい充実のサイトですね。
ちょっと驚きました。
時間のある時に、ゆっくり拝見したいと思います。
すごい世界旅行記&データベースじゃないですか。

「砂漠は清潔だ」と言ったのはたしかこのロレンスだったと記憶しますが、
砂漠と、砂漠にいる自分が好きな人だったのだろうと思います。
なんだか映画の1カットのようなビジュアルが浮かんできました。
僕自身、砂漠においては何日も生きてはいけないと思うのですが、
イメージの中でなら思いきりタフに砂漠を駆け回ることができます。
ラクダにも乗れるし、アカバも襲撃できる(笑)

また、映画を観たくなりました。
by shinobu_kaki | 2006-03-27 10:53 | shinoBOOKS | Trackback | Comments(16)

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