2006年 06月 27日
決勝トーナメント イタリア×オーストラリア
雑感。
とにかくイタリアが勝って良かった。
イタリアのヒディンク・コンプレックスは払拭された。
オーストラリアが勝ったならそれは「事件」で、
そのこと自体は痛快なのだが、後の試合を考えると面白くないからだ。
やはり、本当に強いチームに勝ち上がって欲しいのが心理だ。
マテラッツィのレッドカードは可哀想だった。
あれはせいぜいイエローだろう。
こういうことが続くと、2002年の韓国といいヒディンクのチームのプレイには
審判を味方につける何かがあるのだろうかなどといぶかしんでしまう。
と思ったら後半ロスタイム、ドリブルで切り込んだイタリアの選手が倒れ、
オーストラリアに気の毒な判定でPK。これで試合は決まってしまった。
トッティが落ち着いて蹴り込み、イタリアが最後に転がり込んだ幸運で勝利。
両チームの健闘云々の前に、審判のレベルはどうだったのだろうか。
先日のオランダ=ポルトガルもそうだが、審判が試合を壊していないか?
これは前回大会もそうだったが、「?」という判定をする審判が多い気がする。
これではせっかくの大会が台無しだし、選手も可哀想だ。
それはそうとして、イタリアは流石にしたたかだった。
対して、数で守って数で攻めるオーストラリア、
ちょっと雑というか愚直にすぎるプレーも目立ったが、
イタリアに対して惜しいシーンをいくつも演出した。
イタリアは退場に伴ってツートップをベンチに下げざるを得ない状態。
しかしここは試合巧者のイタリア、
ポイントを押さえて最後の最後でゴールは許さない。
イタリアは押されていたが、勝ち方を知っていた。
押されても慌ててはいなかったように思う。
そしてヒディンクにここぞの策を打たせなかったのが見事だった。
なんというチームなのだろう、これが勝ち抜く術を知っているチームだ。
ちなみにデルピエロの坊主頭は似合わない。
変な名前のイアキンタのほうがセクシーだった。
黒髪のイタリア人は長髪のほうがセクシーだと思う。
マテラッツィは長身でヘッドが強いという良さもあるが、
イタリア人にしてはここ一番のポカが多い気がする。
ミランでバレージの相棒だったコスタクルタを思い出す。
コスタクルタも頑健だがミスの多い選手だった。
トニは速くて上手くて大きくて、ビエリ的な屈強フォワード、
日本にこういう選手はなかなか現れない。
ものすごく良い時の久保が少し近いのかもしれないが。
さらにイタリアのカテナチオ・スピリッツを体現するかのようなカンナバーロ、
個人的に好きな中盤の「番犬」ガットゥーゾ、
世界最高のGKブフォンなど、イタリアの守備はメンツが揃っている。
オーストラリアも良かったが、勝ち抜くタイプのチームではない。
イタリアが勝ったのは結果として順当だと思う。良かった。
それがたとえ審判に助けられた最後の一手だとしても、
勝てば官軍、リアリストのイタリア人たちはそう思っているだろう。
オーストラリアは健闘したが、イタリアのほうが成熟した集団だった。
チームとして大人だったと思う。
今年のイタリアは人気がないのか、優勝候補に挙げる人は少ないのだが、
こういったチームを破るのはなかなか大変だろう。
次はスイスとウクライナの勝者との対戦となり、
ここを落とすとは考えがたい。つまりベスト4は固い。
その後のイタリアはドイツかアルゼンチンという対戦カードになる。
どちらが来ても確かに厳しいが(ファンにとっては嬉しい)、
もしかすると決勝あたりまで行くのかもしれない。
ドイツは勢いがあるが若いし、アルゼンチンは才気走る分もろいところがある。