「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」


なんだろうね、どういったらいいのか…ハリウッド的な、
言わば日本にもとても理解できる作り込み的な映画じゃなくて、
こういった、明らかに異文化な世界の色の映画を観る分には、
とても好感が持てるし、映像体験として非常に快適だ。
ざらざらした日光の感じや砂埃、うらぶれた娼婦街ですら美しく照らす映画。

60年代初頭、パリのユダヤ人街ブルー通り。
娼婦が立ち並ぶあまりお行儀の良くないストリートに生まれ育ったモモ。
母親の顔すら知らない13歳の少年は、笑うことすら忘れていた。
そんな街の一角に食料品屋を営むアラブ人のじいさん、イブラヒム。
モモの万引きを分かって見過ごしていたイブラヒムは、モモに言う。
「どうして笑わない?幸せだから笑うんじゃない、笑うから幸せになれるんだ」

恵比寿ガーデンプレイスで予告編を観て以来、
良作の香りぷんぷんで、とても気になっていた一本。
「TSUTAYA DISCAS」で借りて、やっと観ることができた。
映画を観た感想としては…別にそんな事は作中にうたわれていなかったのだが…
「人生は一度きりなのだから、目一杯笑い、楽しみ、自分の色を貫け」
そんなメッセージを受け取った気がした。
例えば主人公のガールフレンドの洋服のコーディネートひとつとっても、
生きることに対して発せられるポジティブなメッセージ。
そういった意味で、とても映画らしい映画だと思う。
僕に言わせれば映画というメディアの役割はただひとつ、
「生きることも悪くない」と観た人に思わせること、それだけだと思うからだ。

物語が動くのは、モモの父親が会社を解雇されたことで、
モモに置き手紙と幾ばくかのお金を置いて失踪するところからである。
モモは心を寄せるイブラヒムの養子になることを望み、イブラヒムも快諾する。
そして2人は車で、イブラヒムの故郷であるトルコを目指すのだ。
フランスからスイス、アルバニア、ギリシャ、そしてトルコ。
映画はここでロードムービーとなる。
終着のトルコで2人を待っていた結末とは。

トルコ人商人イブラヒムを演じるのはオマー・シャリフ。
「アラビアのロレンス」で映画史に不朽の名を残した名優である。
また彼のセリフが「オシムの言葉」並みに含蓄に溢れていて素晴らしいのだ。
さらにセリフのみならず、そのチャーミングな笑顔と第一級のたたずまい、
オマー・シャリフだけで一見の価値はある映画だと思う。
ところでタイトルの、「花たち」というのはやはり彼女たち?
「コーランの」じゃないとは思うけれども、「花たち」にあたるのはアレしかないよね。

この映画を家で、タンカレーのNO.10をロックで飲みながら観ていた。
TSUTAYA DISCASは借りたいものがその時借りられるわけではない、
というのがネックではあるが、やはりなかなか便利だね。
ところでパリには一度行ってみたいと思っている。
なんとなくだけれど、すごく気に入りそうな気がしているのだ。
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by shinobu_kaki | 2006-08-13 22:50 | 人生は映画とともに | Trackback(1) | Comments(0)

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