本屋はワンダーランドだ。

別に大袈裟でもなんでもなくて、本屋はワンダーランドだと思う。
ワンダーランドで悪ければ、一種のパラダイスだ。
日々新しい書籍が更新され、常に圧倒的な知識の量と質、
絶対に、すべてを読むことは誰にも叶わない。

しかしその中に、必ず自分の興味の対象となる情報は存在し、
それを手に入れたいと言う欲求を抑えることに一苦労して、
ワンダーランド巡りは終わる。いや、終わらせなければならない。

欲望の制御に失敗してしまうと、
「衝動買い」という極めてポピュラーな状況に陥ることになる。
しかしそれは間違いなく「幸福な失敗」である。
帰ってからたっぷりそれらを読むことができるという幸福感を、
我々は本たちと一緒に持ち帰るのだ。

都内にはラブリーな本屋はいくつもあるが、
個人的にことさら幸福感を感じるのは渋谷のパルコブックセンター。
アクセスを含めた立地的な部分もいいし、
本のセレクトも、スノッブになりすぎない程度にアート要素があり、
ブックファーストほどの品揃えと売り場面積はないが、
量は十分だし、書店員によるピックアップのセンスも好みだ。
買うことはほとんどないが、洋書「LOGOS」の併設も頼もしい。
そんなわけで、今年最初の「幸福な失敗」をパルコブックセンターで。

吾妻ひでおの「失踪日記」。
初版は2年ほども前なのでずいぶん今さらだが、
読んでみたという会社の同僚がオススメするので買ってみた。
可愛らしい絵柄でずいぶん中和されているが、
これはなかなか壮絶な体験だよね。
漫画家という職業は「アート志向」と「商業主義」という、
決して矛盾はしないながらも、両立が難しい精神状態を強いられる、
なかなかメンタルハードな職業なのかもしれない。
デザイナーもそういう部分はあるけれど。

暮らしの絵本「食べ方のマナーとコツ」「しぐさのマナーとコツ」
ニンテンドーDS「脳を鍛える某」の爆発的ヒット、
「鉛筆で奥のほそ道」などのリリースなどに見られるように、
日本は「学ぶ」ことがブームであり、その潮流の中にあると言える本である。
知っているつもりで意外と知らない「コモンセンス的マナー」の本。
全ページイラストでわかりやすい、という間口の広い本だ。
意外とマナーって知ってるつもりで知ってなかったりする、気がする。
もちろん僕に関してなのですけれど。

interior ARCHITECTURE
特集「和風のひみつ」。普段なら絶対に買わない本。
というか、目にした記憶すらない雑誌である。
本屋をぶらぶらしているとこういった「出会い」があるのが醍醐味だ。
「和風」とは一つの様式を指すものではない。では、「和風」とはなにか。
「和風六法」という言葉がある。すなわち、
うつし、くずし、みたて、つくし、ならび、くらべ、というキーワード。
概念的なこれらの言葉は、実はそれぞれ具体的な方法論なのである。
すべてデザインには理由がある。建築もしかりだ。
いや、建築こそ「用の美」の集積したジャンルであって、
本当の意味でのデザインの本質は、人の使う空間づくりのそれにあるのかも。
新年にふさわしい、自分にとって新しい情報の風、といった一冊だった。
これからは興味の範囲を、こうして徐々に拡げていくことにしたい。

さて、今日は久しぶりに鍼を打ってもらいに世田谷へ。
思えば20代の頃からお世話になっている鍼の先生に、
今回お土産を買ってくることができた。秋田の日本酒である。
彼は大吟醸が好きなのだ。秋田は米どころ、吟醸というよりは純米マーケット、
しかしその中でも美味と思われる一本を買って来たのだった。

三連休、天気は荒れるといいながら青空の日。
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Tracked from プラス思考で生きていこう at 2007-01-12 14:06
タイトル : どのような結果であれ・・・
ある人が (それが自分であってもいいですよ) 何か新しい事を始めたとします。 例えば土地を借りて野菜の栽培を始めたとしましょうか? 野菜なんて地面に種を蒔けばいいんだろう と思って種を蒔きました。... more
by shinobu_kaki | 2007-01-07 09:56 | shinoBOOKS | Trackback(1) | Comments(0)

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