花泥棒

ひんやりと静かで、海の底にいるような朝である。

ネットを巡回、「花泥棒」というのは味わい深い言葉だと思った。
そもそも「ドロボウ」という言葉も少し良い。
もちろんそれをやられた方は迷惑だし、犯罪なのだが、
ルパン三世に見られるように、
「ドロボウ」にはどこかロマン的な意味合いがある。
ただしロマン的な意味を堅持するには大事なポイントが一つあって、
それは、「暴力を振るわない」ということ。

暴力の定義とは、難しいが、
それを受けた側がなにがしかの「痛み」を感じること、だとする。
ドロボウによる盗みの被害者は、
もちろん盗まれたものを失うことになるわけだが、
それと痛みとは「直接的には」関係しない。
しかも「カリオストロ」のルパンが盗んだものは、
お姫様の「心」だったりする(銭形のとっつぁんのセリフは素晴らしい)。
牧歌的・大時代的・物語的なドロボウの話だ。

そういった意味では、
暴力はむしろ日常にあふれている。

無意識な暴力。
言葉の暴力。
態度の暴力。
距離感という暴力。

感じた痛みは、消え去ることはない。
痛みとは、刻まれるものだからだ。
しかし痛みを与えた方は、それほどまでの自覚はないことが多い。
なぜなら与えた側にとってみれば、
それは痛みを伴うでもない単なる「行為」の一つだから。
そのアンバランスさに、暴力の不幸がある。

しかしもしあなたが不幸にもそういったものに触れて、
落ち込み傷ついてしまったなら、できることは一つしかない。

それは「薄めること」である。

書いたように、受けた痛みは「なかったこと」にはできない。
だから分母を大きくして分子の値を小さくするように、
どんどんどんどん「薄めて」いくのだ。
例えば人に傷ついたなら、人を避けるのではなく、
むしろ人と多く話すのだ。

これは海の底のような世界で生き延びる手段の一つだ。
我々は生きなければいけない。


ひんやりと寒い朝だと思ったら、
窓の外に雪が降り出した。マリンスノー。
今日は髪を切りに行く。
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Commented at 2007-01-28 23:42 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by shinobu_kaki at 2007-01-29 16:38
>鍵様

どうもありがとね。
ヘルシーで参りましょう。
by shinobu_kaki | 2007-01-20 11:23 | ライフ イズ | Trackback | Comments(2)

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