「モーニング」は読むと本当に元気になるのか?

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漫画雑誌「モーニング」の全盛期はたぶんずっと昔だと思うけど、
(個人的には「REGGIE」「オフィス北極星」がやってた頃がそうじゃないかと思う)、
なんだかんだと今でも元気な雑誌ではある。
なんだかんだと話題作を輩出し、
なんだかんだとドラマ化されている作品も多い。
ことに、漫画を原作とするドラマが盛んな今日においてはね。

表紙&巻頭「神の雫」。ワイン漫画である。
日本でもなかなかの人気である本作だが(単行本の表紙が派手だ)、
いま韓国では日本を追い抜きそうな売り上げを誇るそうだ。
韓国の新聞「中央日報」の一面に、漫画として初めて採り上げられた。
天才的なテイスティングとデキャンタージュの腕を持つ主人公、
神崎雫の存在感が薄いのがいいのかもしれない。
少なくともライバルの遠峰一青のほうがキャラが立ってはいるよね。
キャラの描線も実にあっさりとクセがないのだが、
それはきっと登場人物たちよりもワインが主役だからだろう。

なかいま強がモーニングにいるのはなんか違和感がある。
(おそらく)ボクシング漫画「ライスショルダー」。
父親を捜す為に兄弟と上京した巨体で怪力の女の子が主人公。
田舎弁をあやつるギャグがこの作者っぽい。
「うっちゃれ五所瓦」「黄金のラフ」も好きなのだが、
この人のテイストはけっこう独特で、死ぬほど可笑しい瞬間もあるが、
あまりに長く続くと味に飽きてしまうこともある。
「ライスショルダー」はまだ乗り切れてない感じがする。
もっと面白いのを書ける作者だと思っている。

モーニングの看板「バガボンド」。
言わずと知れた大人気作、単行本は僕も買っている。
画集を出すほど達者な絵で描かれる剣豪・武蔵と小次郎。
十分に面白いし、素晴らしいと思うのだが、
井上雄彦は時々分かりづらい表現をするよね。
なんというか、アップにすべきところではない箇所でアップにしたり、
すんなり来てほしいところですんなり絵が来ないというか、
映画で言えばカメラの使い方が違っている気がするのである。
それがこの人の個性と言えば話は終わるのだけど、
絵がすごく上手くて魅力的なのだからもったいないなと、
実はいつも密かに思っている。

「専務 島耕作」。インド篇。
この島耕作は「課長 島耕作」の島とは別人ですね。
「課長〜」はすごく良かったが(傑作だと思う)、
なんだか今や不思議な漫画になっている。

「ジパング」。かわぐちかいじ。
好きな人はモーニングの中でも一番好きな作品なのだろうが、
なぜか僕は読めないんですよね。不思議と。

「ひまわりっ」。読んでません。

「ディアスポリス」。モーニングらしい作品という気がする。
原作というか脚本のリチャード・ウーは、
浦沢直樹とのタッグでも有名な長崎尚志氏。
野心作だと思うけど、これもなぜか読まずに飛ばしてしまう。

「チェーザレ」。惣領冬美。
単行本のシンプルな装丁から、この作品を長大なものにするという
作者の意志が感じられて良い。
いつも思うのは「チェザーレ」じゃないんだ、ということ。チェーザレ。

「イカロスの山」。塀内夏子。
「堀内」ではない。「塀内」。女性らしくさらっとした絵柄だが、
この人は漫画の上手い人だと思う。読ませる。
あと、基本的に善人しか出てこない作風の人ではある。
ずっとスーパーな存在として描かれていた平岡の、
突然の滑落(?)。これで平岡が死亡という展開ならびっくりだね。
物語的にはもうひと転がりある気はしているけど。

「とりぱん」。読んでません。

「GIANT KILLING」。ちょっと前から始まったサッカー漫画。
面白い。親しみやすい絵柄も好み。
サッカー監督が主役の漫画というのはなかなか旬な感じだ。

「ジナス」。吉田聡。
時々載っているけど、よく分からない漫画。
読んだり読まなかったりだけど、
個人的には吉田聡の絵柄が好きではない。

「カバチタレ」。じゃなかった「特上カバチ」。
ナニワ金融道の遺伝子を引き継いだアレです。
ただしナニワ金融道とはまったくの別物。
身につまされるエピソード満載。お金で不幸になる人たち。
みんな仲良くできんもんかねえ。

「エレキング」大橋ツヨシ。
長いこと続けられてる4コマギャグ漫画家は大体そうだとおもうけど、
この人は特に天才的に面白いね。
昔にくらべると、「AERA」に連載されていたりして一般受けする感じになった。
時々ものすごくツボにはまったり、感心したりしている。

「ドラゴン桜」。いよいよセンター試験終了。
どうやら2人とも足切りの対象となる点数か。
順調に来ていると思いきや、最後に試練が待っている…のか?
これ、最初はまったく違う漫画だったはず。
人気と需要が漫画そのものを変えてしまうのだ。

「はるか17」。山崎さやか。
この人も漫画が上手い。読ませる。
連載開始からの数話なんて、本当に引きが上手くてびっくり。
主役は女性(はるか)だけれど、色気のある女性としては描かれていない。
「萌え要素はほとんど無いが、読ませる」というのが
非常にモーニングらしい漫画だと感じるね。

「ナースあおい」。こしのりょう。
これもある意味、とてもモーニングらしい漫画だと思う。
「ブラックジャックによろしく」の後の「医療現場ドラマ枠」。
地味ながら、しっかりしたストーリー。ドラマ化もされましたね。

「実録!関東昭和軍」。田中誠。
「ギャンブルレーサー」の人の高校野球漫画。
ネットでの人気は高いようだが、その作風ゆえいつも巻末近くにある。
個人的には、まあ読んでいるけどねという感じ。
というかキャラが誰が誰だかよくわかりません。

「ムーたち」。榎本俊二。
鬼才の一言。

「クッキングパパ」。うえやまとち。
「ウマイゾ!」と言えばこの漫画。
それにしてもパパのあごはなぜ鉄人28号なのだろうか。
息子もいずれああなるのか?

「へうげもの」。山田芳裕。
戦国時代を見届けた数寄者・古田織部の物語。
これは後で単行本でじっくり読みたい。

「モダンタイムズ」伊坂幸太郎。
こないだから始まった連載小説。びっくりした。
伊坂は好きな作家である。
漫画誌に書くなんて、フットワーク軽いなあ。
ギャラはいくらなんだろう、とか思ってしまった。


なんか辛口の感想が多いように感じるかもしれないけれど、
モーニングは基本的にとても面白い漫画雑誌と思う。
実験的な作品を載せるキャパシティはあるし、力のある作家も多い。
それにしても「蒼天航路」が終わってしまったのは痛いなあ。
まあ、10年もやってたわけだから、いつまでも連載しているわけにもいかないけれど、
あの「蒼天航路」の歴史ものという題材、パワー、けれん味、
それらすべてがモーニングという雑誌の重層的な魅力を支えていたと思うのだが。
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Commented by Higu at 2007-04-13 13:33 x
チェーザレがスキ。惣領冬美らしさがよく出てて楽しめる感じ。
モーニングに連載されていたんですね。
Commented by エレドラゴン at 2007-04-13 13:34 x
大橋ツヨシは個人的に大ファンですよ。
最近脳が老化しているせいか、4コマ漫画しか読めない体質になっているようで、
ストーリー漫画は基本的に漫喫で一気読みですよ。
Commented by shinobu_kaki at 2007-04-13 19:31
>Higuさん

あと、書きわすれたわけじゃないんだけど、
「誰も寝てはならぬ」がありますね。
そういう意味で、かなりバラエティに富んだラインナップだよねえ、
モーニングって。
Commented by shinobu_kaki at 2007-04-13 19:34
>エレドラ

漫画喫茶行きたい!
でも読みたい漫画を決め込んで行かないと、
本棚の前でけっこうウロウロ迷ったりしたことがあります。
時間もったいないよね。
Commented by 李花 at 2007-04-13 19:40 x
そうそう、なぜか「チェザーレ」って私も思い込んでました。
塩野七生のチェーザレ・ボルジアの生涯みたいなのを読んだので
こちらの漫画も気になります。
Commented by shinobu_kaki at 2007-04-14 09:06
>李花さん

イタリア語っぽい音感としては、
「チェザーレ」のほうが響きがいい感じがしますけど、
どうなのかな。

Commented by た〜ちゃん at 2007-04-14 15:17 x
モーニングといえばやはりOL進化論は外せないと思うのだが。
Commented by shinobu_kaki at 2007-04-14 15:26
>た〜ちゃん

げ。
そうだった、何か忘れていると思っていた。
OL進化論はすごいですよ。
ずうっとコンスタントにちゃんと面白いしね。
by shinobu_kaki | 2007-04-13 09:18 | shinoBOOKS | Trackback | Comments(8)

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