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システマチックな漫画家。

「ドラゴン桜」で一般的にもブレイクした漫画家の三田紀房。
「漫画家としての天才的な才能は僕にはないな」という彼は、
ある時から「共同幻想としての漫画家のスタイル」を捨て、
かねてから自分に向いていると思っていた、つまり、
「ひらめきを待たない、徹夜をしない、システマチックにやる」
というスタイルで実際にやってみたところ、
これがピタリとハマり、まさに「いいことづくめ」だったそうだ。
「いいこと」とは、具体的にはどのようなことだったのか。

三田「徹夜はしない。会社勤めのように午前から勤務。夜も定時であがる。
これの最大の利点はスタッフがピタッと辞めなくなったことでしょうね。
いままではやっと戦力になってきたと思うとすぐにコロコロ辞めて行ってしまった。
そうなるとまた一から仕込む。でも辞める。
こういうふうに出入りのサイクルが短いと漫画云々よりも
人事管理そのものがストレスになってしまうんです。
それが仕事時間を普通にしただけで熟練した人が残る率が確実に増えました。
質が上がると同時にスピードが急増して、
“徹夜さえしなければ、ラクになる”ことがはっきり自覚できた。
労働時間の短縮と生産性向上がいい形で循環していく。いいことづくめでしたね」

こういった、規則正しくシステマチックな仕事ぶりの漫画家と言えば、
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の秋本治が思い出されるね。
秋本氏の事務所もかなりきちんとした勤務態勢なのだとどこかで読んだ。

確かに三田紀房の作品(「クロカン」「甲子園へ行こう」など)を見ていても、
面白いし読ませるのだが特に才気のようなものは感じない。
絵が下手だという意味ではない(下手だとは思うけど)。
絵の巧拙とここでいうところの才気は関係ない。
例えば「カイジ」や「アカギ」「黒沢」などの作品がある福本伸行だが、
福本は誰がどうみたって絵は上手くない。だが才気がある。
「この作者でなければダメだ」と思わせる何かがあるのだ。
三田紀房はちょっと違う。魅力がなかなか説明しづらい。
そんな彼が漫画家として成功をおさめることができているのは、
何より「自分で自分のことを良く分かっている」からではないかと思う。
自分のことを客観化、方法論化できている人は安定感がある。

システマチックな漫画家。_a0022014_0273778.jpg

写真は今朝つくった朝(昼?)ごはん。
冷蔵庫にあるものだけでちゃちゃっとこしらえました。
チーズ入りのプレーンオムレツ、茄子とタマネギ、エリンギの黒酢炒め、パスタ。
食べた後には休日出社、しっかり終電まで働いてきましたとさ。
by shinobu_kaki | 2007-04-16 00:26 | エウレーカ!

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by Shinobu_kaki
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