文章でいちばん大事なこと。

創作の文章にせよ、翻訳の文章にせよ、文章にとっていちばん大事なのは、たぶんリズムなんですよね。僕が現在形と過去形をある程度混在させるというのも、あくまでリズムを作っていくためです。原文ではひとつの文章を二つに分けたり、原文では二つの文章をひとつにまとめたりするのも、つまるところリズムのためです。そういうリズムが総合的に絡み合ってこないと、その文章は「とん・とん・とん」という単調なリズムになっちゃうわけですね。「とん・とん・とん」だと人はなかなか読んでくれないです。「とん・トン・とん」というリズムが出てくると、それは人が読む文章になる。
文章っていうのは人を次に進めなくちゃいけないから、前のめりにならなくちゃいけないんですよ。どうしたら前のめりになるかというと、やっぱりリズムが無くちゃいけない。音楽と同じなんです。

村上春樹(文春新書「翻訳夜話」より)


確かに名文と言われる文章って、グルーブがあるよね。
芥川龍之介も中島敦もとってもリズミカル。
文章を最後まで読ませる力を「筆力」と俗に言いますが、
リズムとか「文章的うねり」もかなり関わってくると思われ。
トラックバックURL : http://kakiwo.exblog.jp/tb/544126
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by あちゃ at 2005-07-13 11:31 x
ただ今、村上春樹エッセイ中毒のあちゃです。

エッセイの中でよく翻訳のことが出てきて興味を覚えたので
今、「翻訳夜話」を読んでいるのですが、
あれ、これ(ブログの記事と共通部分)、シノブさんのブログで読んだことあるなぁと思い思わず検索しちゃいました(完全に暇人です、僕ww)。

「トン・とん・トン」

が、すっごく印象に残ってたんですよ。


で、この前、コメント頂いた、

「そうだね」と彼は言った。「そうかもしれない」

についても、村上春樹さんのコメントが出てきて(he said she said)、
僕自身、彼の小説をほとんど読んでいないので、
まだ直接その文体には触れた感じはしてないのですが、
この「翻訳夜話」を読んで、ますますこれから村上春樹の小説読むのが楽しみになりました。

なんか、嬉しくなっちゃってコメントしちゃいました。
失礼します。
Commented by shinobu_kaki at 2005-07-14 12:09
>あちゃくん

「翻訳夜話」も「サリンジャー戦記」も楽しいよね。
何度も読みました。

基本的に春樹氏は翻訳文体ですよね。
それはまさに彼の読書来歴に拠るようですけど。

でも僕は、最近の数作は読んでないのです。
(「アフターダーク」は読んだけどいまいちピンと来なかった)、
ちょっと、チャンネルがずれて来た感もあり。
まあ10年も読んでいればね。思考も嗜好も変化します。
by shinobu_kaki | 2004-06-29 01:53 | 言葉は踊る。 | Trackback | Comments(2)

移動祝祭日


by Shinobu_kaki
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31