森博嗣、命拾い、銀座裏通りのスペイン・バル。

出版社からときどき、こういうものを書かないか、という提案がある。
そんなとき、いや、それよりもこんなものが書きたい、
これからはこちらだろう、という意見を出す。だいたいは聞いてもらえない。
その後10年ほどすると、そのニーズが生まれてくる。
出版社は慌てて、あのときの企画をお願いできないか、と言ってくるのだが、
そのたびに、もう遅いですよ、と答えて断った。
小説を書き始めてからも、何度か同様のことがあったように思う。
1996年だったか、ある大手出版社の人が、ミステリィの執筆を依頼してきた。
僕は、もうこれからはミステリィの時代ではない、と話した。
そのときは、ミステリィが大ブームだったのだ。
また、ウェブに書き始めていた日記を出版したい、という話をした。
すると、ネットで無料で読めるものを本にしたって売れるわけがない、と笑われた。
作家よりも編集者の方が、ずっと世間が見えているはずなのに、
どうしてニーズを捉えられないのか、と思うことがしばしば。
きっと、書店の棚ばかり眺めているのだろう。
既に存在するものは、すべて過去のものだ。
それらに目を奪われているから、未来が見えなくなる。

森博嗣(作家)「MORI LOG ACADEMY」より


マイペースで健康的な思考を続けている作家のほうが、
より世の中とシンクロしていくという皮肉。
いや、もともと感度の高い作家が発信したものが世の中に広がる、
という順番のほうが正しい順序なのかも。
例えば最新映画のアートワークがデザイン界すべてに影響を及ぼすようにね。

昨日は昼過ぎからマイ主治医とも言うべき鍼の先生の治療院へ。
肩、首筋、腰。やっぱりひどかったみたいで、まさに命拾い。
特に首筋はまるで血管が詰まったような感じがして気持ち悪かったのだが、
コリがひどくなることで本当に血管を圧迫していたらしい。
施術が終わった後は例によって、体全体が呆然としたようになる。
行かなかったらどうなっていたことか、と思わせる感じだった。

それから銀座方面へ移動。久しぶりにえだってんと突飲み。
待ち合わせまで夕方の銀座をぶらつく。
休日の好ましいゆるさと、銀座独特の華やかさが交錯し横溢する。
さて二丁目裏通りのオープンなスペイン・バルでプチ漢飲みとしゃれこんだ。
トンデモワイン漫画(と言っていいよね)「神の雫」の話などしながら、
「M2」(エメ・ドスと読むらしい)というかなりしっかりめのワインをゆるりと。
土曜日の銀座だというのに、この店の賑わいはどうだ。
スペイン風オムレツ、トマトとアンチョビのサラダ、豚のパテ、プロシュート。

そして今日は午後から休日出社。休日出社はやる気がでない。
途中でコーラを買った。冷たいものが飲みたくなると、夏が近いと思う。
スターバックスのフラペチーノなどもしかりである。
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by shinobu_kaki | 2007-05-13 15:59 | 言葉は踊る。 | Trackback | Comments(0)

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