フィリップ・トルシエ「オシムジャパンよ!」

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突如日本サッカー界に現れた奇妙なフランス人監督、トルシエ。
「言っていることに一貫性がなくて支離滅裂」だの、
「通訳のダバディよりサッカーに詳しくない」だの言われながらも、
2002年のワールドカップで日本をベスト16に導いた功労者。
トルシエの名前は今でもスポーツ誌のインタビューなどで時折見かける。
そして、トルシエのインタビューはいつも面白い。
その面白さの秘密は3つのポイントにまとめることができる。つまり、
「話が具体的」で、「姿勢としてはあけっぴろげ」であり、
さらに「対象(サッカー)に対する愛情に満ちている」ということだ。

本書は時節柄「オシムジャパンよ!」というタイトルになってはいるが、
副題に「日本サッカーへの提言」とあるように、
「トルシエ以後」の日本サッカーについて書かれている。
書かれているというか、トルシエのインタビューを聞いている感覚である。
まずジーコが率いて惨敗を喫した2006年ドイツワールドカップについて検証し、
ジーコのチーム作りと自分のそれとを詳細に比較して、
中村俊輔という選手について、さらに中田英寿という個性について語る。
そして後半はオシムジャパンの現状と懸案、可能性について。

なにしろおしゃべりなあのフランス人の言葉を、
ひたすら途切れずに聞いているかのような一冊である。
そしてディテールはあくまでも、トルシエらしさに満ちている。
例えばこんなフレーズだ。
「あのドイツ人のような名前のブラジル人…そう、ビスマルク」
「それから中村憲剛だ。彼が俊輔と血の繋がりがないと聞いて
ちょっと驚いている。顔つきから何から、他人にしてはよく似ている」
こういったどうでもいい部分に、トルシエらしさがよく出ていると思う。

インタビューが面白いということについては、
現役選手でありながらセルティックの中村俊輔がそうである。
俊輔のインタビュー、サッカーに関する語りについては定評がある。
映像で見る態度などはそっけないが、面白いことを言っているし、
あらためてテキストにすると非常に読ませるということがわかる。
選手として云々に関係なく、今すぐにそっちの仕事ができるくらいだと思う。
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by shinobu_kaki | 2007-06-13 09:47 | shinoBOOKS | Trackback | Comments(0)

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