内田樹「コミュニケーション能力について」

雑誌「広告」12月号、内田樹×永井一史対談より。
対談というより、永井氏がインタビュアーみたいなポジションになってます。

内田「(人類は)哺乳類の中でもかなり弱いほうでしょ。
爪も牙もないし、空も飛べないし、水にも潜れないし。
にもかかわらず、これだけ繁殖したというのは、
つまり人間は、集団を瞬間的につくっていって、同期して、
50人なら50人で一個の身体のような形で機能するという、
他の生物がなかなかできないことができたからだと思うんです。
他人が持っている身体情報と自分が持っている身体情報を共有できた。
共同体を作れるというのは、
要するに他人を自分だと思えてしまう能力のことだと思うんです。
老人をいたわるとか、子供を可愛がるというのは、
別に心が優しいとかそういうことではなくて、
子供という、かつて自分であったものでもあるし、
老人はいずれなるものでもあるし、病人や障害者だって、
自分がこれからそうなるかもしれないものでしょ?
だから、そういう同胞への配慮は隣人愛というよりはむしろ過去の自分自身、
未来の自分自身に対する配慮なんです。
自分自身だと思えるから、支援できるし、保護できるし、共感もできる。
そういう想像力の使い方はたぶん、
他の動物にはない種類のものだと思うんですよ。」


永井氏の引用いらんかった! Σ(´Д`)
内田氏のホームグラウンドである武道について主な話題が進行するため、
いきおい永井氏が「聞き手」になってしまっているこの対談だが、
「広告」との共通点はコミュニケーションにあり、ということで落ち着いている。
でも考えるとコミュニケーションって、武道と広告に限らず、
この世の森羅万象すべてのものはコミュニケーションである、
と言い切っても良いくらい汎用性のあるテーマだと思うけどね。

さてこの雑誌「広告」ですが、
大手広告代理店の博報堂が発行しています。
(だから永井一史さんなんだね)。
なかなかメンツは豪華で、冒頭は作家の沢木耕太郎、
Jリーグ現チェアマンの鬼武氏、瀬古利彦、「元祖王子」荒木大輔、
「一瞬の風になれ」の作者・佐藤多佳子、ロッテの4番サブロー、
そして伊達公子に日比野克彦。多彩と言えば多彩、
わやくちゃと言えばわやくちゃな執筆陣である。
デザインもシンプルだが気が利いているし、読みごたえもある。
お買い得だと思います。

ところでわやくちゃと言えば、このエントリの敬称もわやくちゃである。
ていうかさあ、そういうのって線引きが難しいとこなんですよ。
「さん」をつけると逆に馴れ馴れしいとかあるからね。
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Commented by そら at 2007-11-10 17:16 x
敬称はいっつも悩んで、結局「氏」をつけるんですけど、女性だったりするとこれがさらに困ってしまって、なんだか微妙な「嬢」をつけたりして、なんだかなーなんだかなーって思ったまま、ここまできています。
Commented by shinobu_kaki at 2007-11-11 10:42
>そらさま

>結局「氏」をつけるんですけど、

僕の中では敬称「氏」ってトキワ荘です(笑)
「やあ、石森氏!」
「なんだい、赤塚氏」

敬称って迷いますよね。
「さん」だとよそよそしいかな、「くん」は近しいな、
「ちゃん」はちょっとなあ…などと色々。
by shinobu_kaki | 2007-11-04 20:57 | 言葉は踊る。 | Trackback | Comments(2)

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