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浦和レッズ(0-1)ACミラン

FIFAクラブワールドカップジャパン2007準決勝、浦和レッズ vs ACミラン
(ダイジェスト動画)

68分、左からのカカのドリブルが坪井を振り切り、
折り返しをクラレンス・セードルフが決めてACミランが先制、
そのまま0-1で試合終了。
結局、浦和のGIANT KILLING(番狂わせの大物食い)は叶わなかった。

「本気のミラン」は堅守を誇る。陣形はいわゆる4-3-2-1で、
1トップのフォワード・ジラルディーノを頂点としたツリー型。
サイドアタッカーを外に張り出させない3ボランチで、
(潰し役のガットゥーゾ、コンダクターのピルロ、運動量がすごいアンブロジーニ)、
例えば上がったサイドの裏を取る、という奇襲も許さないシステムになっている。
ミランはオープンに攻めて大量点を奪うというタイプのチームではないが、
それだけに隙がない。ブラジル代表のほうがまだ可愛げがあるだろう。
1-0というスコアはミランの術中だ。ローコスト。勝利へのリアリティ。
このへんはさすがイタリアのチームという感じがする。
浦和は、俗に言う「点差以上の実力差」というやつを見せつけられたのだった。
局面における一人一人の強さ、早さ(「速さ」ではなく)、
そしてチーム全体の意思統一というものが強く感じられたミランだった。

この試合で決勝となるゴールを決めたのはセードルフだが、
メディアはアシストしたカカを「主語」にミランの勝利を語っている。
これはいわゆる「華」というやつで、カカのスター性を表しているものだ。
セードルフも「それぞれ違う3チームでチャンピオンズリーグ3度制覇」という、
前人未到の偉業を成し遂げている本当に凄い選手なのだが、
カカとセードルフのどちらに華があるかと言えば、答えは決まっている。


GIANT KILLINGと言えば、週刊モーニング連載中の漫画、
「GIANT KILLING(ジャイアントキリング)」が面白い。
同誌連載中の「かぶく者」と並んで(こちらも急に面白くなった)、
今かなりノっている漫画のひとつじゃないだろうか。
ETU(イースト・トーキョー・ユナイテッド)という日本のプロサッカーチームに、
かつてスター選手だった達海猛が監督として戻ってきた。
「弱いチームが強い奴らをやっつける」が信条の達海監督、
低迷のETUを復活させる救世主となるか?…というのが話の設定。

まず、絵が魅力的。すごく上手いとは言えないが、
主(おも)線のしっかりしたシンプルなタッチが効いている。
選手ではなく監督にフォーカスしているのも現代的だ。
とはいえ試合のシーンなど、プレーするのは選手達であるわけだから、
何人かの個性あるプレーヤーがキャラとして必要になってくる。
そんな彼らが実に魅力的に、イキイキとフィールドを駆け回るのである。

漫画家の松本大洋は「なぜサッカー漫画を描かないのか?」という問いに、
「11人を描き分けるのはすごく大変なんだ」という意味のことを言っていた。
「GIANT KILLING」はチーム全員の心理を細かく描写しているわけではないが、
それを何人かのポイントとなる選手に絞り、個性づけに成功している。

最新号のエピソードは、ブラジル人選手3人を擁するチーム、
名古屋グランパレス(←わかりやすいw)との試合の決着までが描かれる。
「スラムダンク」の山王戦を思わせる「音のない時間」の表現だとか、
見開きを多用しつつ飽きさせない展開だとか、
静と動のコントラストを効果的に生んでいるコマ割りなどを見るにつけ、
「ああ、作者はノって描いているんだなあ」というのが伝わる漫画である。

「GIANT KILLING」は原作が綱本将也、作画ツジトモ。
単行本は3巻まで発売中である。僕も3巻とも持ってます。面白いよ。
「王子」こと、ジーノ吉田のキャラが好きだ。
by shinobu_kaki | 2007-12-14 10:18 | さかー考

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