いつもと違う日。

その日をいつもと違う日にしたかったら、
当たり前だけどいつもと違う事をしなければならない。

人間の体細胞はおよそ1ヶ月半やそこらで入れ替わってしまい、
内容的にはまったくの別人で、
社会性や関係性の記憶が繋がっているから同じに見えるだけ、
というある科学者の有名な話があるけれど、
要するにただ同じ事をやっていても変わらないってこと。

その点で引っ越しというのは、ひとつの大きなリセットになりうる。
転職や、進学の時についても同じ事だ。
僕の場合は18歳から19歳にかけての秋田→仙台、
同じく19歳から20歳の仙台→東京という2つの大きな移動があり、
その都度、実に新鮮な気持ちで新生活に臨んだ記憶がある。
僕がその新たなリセットのタイミングで心がけた事は、
(それが正しいかどうかはさておくとして)、
「まずは多くを望むまい」ということだった。

もちろんそんなことは人それぞれで、
新天地(というのもやけに聞こえの良すぎる言葉だが)においても、
いきなり自分のペースで物事を進める事でむしろ上手くいく人もいるだろう。
だが僕は、手探りの状態にあってそれほど多くを望む事はできなかった。
いや、もしかしたら自分自身がそう思っていただけで、
実は十二分に望み多き日々を過ごしていたのかもしれないけれど、
少なくとも自分ではそう思っていた。多くを望むまい、と。

そういった、人による違いというのはいわゆる性格というやつだ。
目の前の事に対してどう考え、どう振る舞うか。何を選択するか。
いくつものディテールから浮かび上がる傾向を性格と呼ぶ。
そして運命は性格の中にある。
小さな局面で選び取ったいくつもの「自分だけの分岐」が、
誰にとっても不可逆な形でその背後に存在する。

記憶の中の過去は改ざんできるが、それでも過去は変えられない。
だからそれまでの自分の選び取ってきた小さな選択を認めてしまうか、
それがいやなら忘れるように努力するのもいいだろう。
過去は変えられないが、忘れる事はできる。
もしくは、忘れたふりをする事ができる、かな。
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Commented by HIRA at 2008-06-17 09:49 x
私は逆で、新天地ではいつも多くを望みすぎて失敗してたかなぁ。最近です、自分で実現可能なこと以外は望まなくなってきたの(笑)。
Commented by shinobu_kaki at 2008-06-17 10:32
>HIRAさん

そうやって上手くトントンになってく、
HIRAさんはそういうタイプなのでしょうかね。

>自分で実現可能なこと以外は望まなくなってきた

いえ、どうか今までのままイケイケで…(笑)
Commented by どらごん at 2008-06-17 23:36 x
いつもと同じことを全く別のやり方でやる、
自分の中のルールを破る、という方が、
実は結果として全く違う日になっているんじゃないか、
という気もするんですけどね。
Commented by shinobu_kaki at 2008-06-18 01:11
>どらごん

捉え方によっては、そうかもね。

ここでは、別のやり方=違う事をする、
くらいのおおざっぱな前提で話を進めました。
by shinobu_kaki | 2008-06-17 08:58 | 言葉は踊る。 | Trackback | Comments(4)

移動祝祭日


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