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フォルクスワーゲン・フォークロア。

先日、本を読んでいて「folks」という単語を見つけた。
民族の、というほどの意味だそうである。
いわゆる「フォークダンス」、民間伝承を意味する「フォークロア」、
さらにドイツ語読みをすれば「フォルクス」で、
とくればこれはもう「フォルクスワーゲン・ビートル」を思い出す。

「フォルクスワーゲン」という言葉は、
「(ドイツ)民族の車」という意味なのだそうだ。
つまり英語で言うと「people's car」ということになる。
「ピープルズカー」ではなんとも格好つかないというか、
逆にドイツ語の響きの仰々しさを思い知らされる。

ちなみにフォルクスワーゲンで思い出すのは、
僕の生まれた家の近くにあったA医者のことである。
A医者は小さい個人医院だったのだが、
風邪をひいた時などは時々看てもらいに通っていた。
本当かどうか知らないが、当時そのA医者は「やぶ」との評判が立っていた。
あるいは心ない子供が、単に「やぶ医者」という響きが面白くて、
委細構わずA医者を「やぶ医者」と呼んでみただけなのかもしれなかった。
秋田の小さい町の、ドイツ車というよりはトラクターがお似合いな風景に、
水色のフォルクスワーゲンはとても目立った。
当時の僕らはそのA医者のフォルクスワーゲンについて、
決してポジティブな印象を持たなかった。少なくとも僕はそうだった。
しかし今にして思えば、
フォルクスワーゲンに乗った町医者というのは、
なかなかシャレていたとすら言える。
実際にA医者が「やぶ」だったかどうかの記憶は、もうない。

あとフォルクスワーゲンと言えば、タカラの「チョロQ」だろう。
子供の頃の僕は、チョロQを狂ったように買い集めていた。
片っ端から飽き足り壊してしまったり、
あるいは文字通り、新しいチョロQに乗り換えたりして、
いつも大量のチョロQが手元にある、という状態ではなかったが。
そして「コロコロ」を愛読していた同世代の人なら共感してもらえると思うが、
当時連載していた「ゼロヨンQ太」というマンガの(懐かしいね)、
主人公の少年の「愛車」がフォルクスワーゲン・ビートルだったのである。
by shinobu_kaki | 2008-07-02 08:53 | 言葉は踊る。

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by Shinobu_kaki
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