吉本ばなな「かっこいい人生」


まずは作品があって、
その横にその人の人生がちょろちょろっていう人がいるでしょ。
太宰治って、やっぱり天才だと思うし、
何度も読み直すんだけど、でも後から振り返ってみると、
彼の素晴らしい作品群があって、
その横に彼の人生がちょろちょろって
情けない感じに寄り添ってるというか。
なんかああいうふうにはなりたくないなあって思う。
自殺したりとかね。
その人の人生が、面白おかしく全うされていて、
横に小説がちょろちょろとあって、
なんだかよくわかんない、みたいなほうが
人生としてかっこいいと思う。

人間生きてて、肉体があって一生があって、
その中で美しいものとか見ていろいろ考えたり感じたりして、
死ぬのが大前提だから。そういうの大切にしたい。

(吉本ばなな/作家)


上の文章の中の「小説」を「仕事」に置き換えたいですね、僕は。
かっこいい云々というよりも、人生の姿勢として、
仕事に全てを注いで完遂するのも立派だし充実するだろうけれど、
僕としてはあくまで日々があって、日常があって、
その中での喜怒哀楽があって、
あくまで人生のひとつの側面としての仕事、という感じがいい。
別に大上段に構えなくとも、
日常の中にすごいことは本当にいっぱいあるし、
ひとつのことに忙殺されると、
そういう細かい宝石を拾えなくなる。

朝ご飯を作るとか、バスに乗るとか、靴ひもを結ぶとか、
自転車に空気を入れるとか、水を飲むとか、
コーヒーを沸かすとか、子供を抱き上げるとか…。
大事な事はいつだってすぐそこにある。

しかしつくづく僕はマッチョじゃないね。
でもいいんです。このまま行くよ。
トラックバックURL : http://kakiwo.exblog.jp/tb/7434001
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by 豆次郎 at 2008-08-27 22:53 x
いいこというなぁ。。。

きらきらの宝石、見失いそうです; _ ;
Commented by shinobu_kaki at 2008-08-28 00:04
>まめぢろさん

まあまあ、ご褒美の魚でも食べて。
ビールも冷えてますよ。ほらほら。
Commented by ちぇす at 2008-08-29 14:41 x
とても共感します。
さらに言えば、せめて仕事なんてものは
人生をそういうふうに考えている人と一緒にやりたいですな。

とりあえず僕も「マッチョじゃない」に1票(笑)
マッチョはぜんぜんトレンディーじゃないし。
Commented by shinobu_kaki at 2008-08-29 17:11
>チェス氏@非マッチョ

マッチョで思い出すのは、
作家でいうと吉川英治とヘミングウェイです。
蓮實重彦曰く「マッチョは描写しない」とのことで、
僕は日々を描写する非マッチョがいいなあと思うとです。
by shinobu_kaki | 2008-08-27 20:04 | 言葉は踊る。 | Trackback | Comments(4)

移動祝祭日


by Shinobu_kaki
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31