米原万里「本気の言葉」

われわれが、何か言葉を出すときのメカニズムというのは、
「本当はまだ言葉にならない状態があって、
心の中に言いたいことや考えや感情や、
そういったものが何となく形づくられてきて、
やっとそれをいいあらわすのに最もふさわしい言葉とか文の形とか、
それから言い方、スタイル…といったものが
まとまってきて声にになって出る」ということなんです。
しかし、官僚の書いた文案というのはそのプロセスを経ない言葉なんですよ。
感情のプロセスを全然経ない、表面だけの言葉というものには、裏がない。
言葉が生まれるプロセスを経ない。もう残骸みたいな言葉なんです。
そうすると、そういう言葉というのは、相手に入っていかないのね。
ところが、そのプロセスを経た言葉というのは、ちゃんと、
受け止められた時にまた入っていく。ほとんど相似形しているんですよね。

米原万里(ロシア語会議通訳、作家)
「米原万里対談集」より
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by shinobu_kaki | 2008-09-21 11:41 | 言葉は踊る。 | Trackback | Comments(0)

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