亡き王女のための


ピアノの音って、頭のどこかがひんやりする感じ。
例えるなら冬の朝とか、高原の雨とか。

特にこの「亡き王女のためのパヴァーヌ」なんて本当にそう。

この曲は「北の国から〜遺言〜」でも使われていた。
ひんやりと寂しい感じ。美しいけれど、はらはらと悲しい感じ。
ただ、日本語タイトルから連想されるような哀悼・追悼の曲ではなく、
もともと作曲者であるラヴェルの言葉遊びからきたタイトルらしい
(亡き王女はフランス語で「infante défunte」という韻)。

ラヴェルは1932年、交通事故による記憶障害を患っているが、
その時にこれを聴いて「この曲はとてもすばらしい。誰が書いた曲だろう」
と言った、というエピソードが残っている。いい話である。

小説家の村上春樹は記憶障害ではない(と思う…)が、
自分の書いた文章をそれと気付かずに後で読んで、
「この文章、なかなか上手いじゃない」と思った事があるという。

作品は作家そのものではない。
子供がいずれ親ばなれするように、作品は作った人の手を離れるものだ。


だから、これはちょっと可哀想なんじゃないかとも思う。
「小室関連」CD発禁・全曲配信停止


やっぱり「穢れの思想」がそうさせるのかな。
一度ケチのついたものは徹底的に忌み嫌うというか。
坊主憎けりゃ、の世界だよね。

今回初めて触れた小室哲哉のエピソードがいくつもあるんだけど、
彼自身は音楽に関して世間知らずなほどにイノセントで、
何十人もの取り巻きの人間が、彼のまわりで恩恵にあずかったり、
同調したりしてうごめいていた。

この構図だけ見ると、
ちょっとアンディ・ウォーホルを彷彿とさせる。
実は熱狂の中心にいる人間というのは、
台風の目みたいに静かなものなのかもしれない。
まあ、こんなの何もかも憶測に過ぎないけど。
本当のことは当人だけが知っているのだ。


それにしても奥さんのkeikoは気丈だ。
偉いと思ったよ。
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by shinobu_kaki | 2008-11-06 17:32 | ライフ イズ | Trackback | Comments(0)

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