ヘミングウェイ「軍人と作家」

優れた兵士は心配をしない。
彼は実際にことが起きるまで何も起きない事を知っているし、
君もそのときまで自分の生活を続ければよい。
危険は危険の瞬間にのみ存在する。
戦争でまともに生きようとすれば、
個人はこれから起こるかもわからないような危険を気にしない。
それだから物事というのは本当に悪い時にのみ悪いのである。
それ以前や以後に悪いのではないのである。
パニックとは異なり、だいたいつねに臆病とは
単純に想像力を働かす事を一旦停止する能力がないことである。
君の想像力を停め、現在でも過去でもない現時点の
まさにその瞬間を間違いなく生きる事を学ぶ。
このことがひとりの兵士に与えれる最大の贈り物なのだ。
それは当然のことながら、作家とはまったく相対するものである。
優れた兵士が優れた作品を書く事がめったにないのはこの事が原因であり、
そのようなことが起こった場合特に賞賛されるのはこの理由からである。

ヘミングウェイ(作家)


ドナルド・W・グッドウィン「アルコールと作家たち」より。
翻訳文体なので回りくどいけど。
「軍人と作家」は「プラグマティストとロマンチスト」に近いかな。
「アルコールと作家たち」は、ヘミングウェイもフィッツジェラルドも、
そしてエドガー・アラン・ポーも壊滅的なアルコール中毒だった、という本。

「優れた作家を描いた優れた伝記などあるはずがない。
すこしでもましな作家であるならば、そいつは何人もの人間であるからだ」
とは、フィッツジェラルドの言。
彼は自分のそういった部分に誇りを持っていたというが、
一般的な人間の常識に当てはめると、完全に破綻している。
名を残すほどの優れた作家という生き方も、なかなか壮絶である。
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by shinobu_kaki | 2008-11-12 00:10 | 言葉は踊る。 | Trackback | Comments(0)

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