不景気と近代化について。


不景気、というのはみんながお金を使わなくなる現象のことだ。
逆に言ってもいい。不景気だから、人はお金を使わない。
不景気になると「天下の回りもの」と言われるお金が回らなくなる。
お金は各人の懐や口座に留まったまま動かない。
そもそもお金とは物品と引き換えるためのチケットでもある。
お金が動かなければ物品も動かない、つまり消費されないから、
物品を新しく開発・生産する理由がなくなってしまう。
理由がないので仕事は減り、そのために存在していた会社は潰れる。
多くの人々の収入は労働の対価としての給料に頼っているので、
生活から余裕がなくなれば新しくモノを買おうとは思わない。
つまり不景気だから、人はお金を使わない。

本当に、実質的な意味でも近代化はとうに終わっているのだな、と思う。
つまりみんながモノを欲しがる時代。
どんどんお金を稼いで豊かになることが当然と思う時代。
経済的な面で自分の親よりも、確実に豊かであると言える時代。
これらの当然とされた価値観が、もはや違ってきている。
人々が「足るを知る」ようになれば爆発的な消費は起こらない。
それはあまりにも自明のことだ。
身の丈にあった暮らし、身の丈にあった消費。
アメリカ的ではなく、どこか退廃を帯びたヨーロッパ的な生活。
しかし糊口をしのぐことさえできれば、実は、
これからの時代は日本人の美意識に見合った社会になる、とも言える。
何でもない暮らしの中に豊かさを見いだすのは、
かつての日本人がもっとも得意としていたはずだからである。
もちろん今の日本人のメンタリティに、
「かつての日本人」が存在しているかどうかの問題はあるけれど。

宝くじについてのアイデア。
ジャンボ宝くじの3億円という総額を小分けにして、
1口100万円の当たりくじをたくさん用意するのはどうか。
億の単位は一般人には人生を見失うほどに重すぎるし、
12,000円の定額給付金では少なすぎて、食事1回で終わってしまう。
3億円を100万円で割ると3000口である。
3000人が当選すると考えると、くじもグッと現実味を帯びるし、
何より大きく人生を踏み外すような額でもない。
億の単位や数千万の額は大きすぎて使うイメージが湧きづらい。
100万円は、ちょうど使いたくなるような金額なのではないか。
というのはある人の受け売りだが、なかなかいい案と思う。
小額宝くじというのは既にあるのかもしれないが、
ジャンボ宝くじの予算規模でやるのがいい。


最後に、近代化と聞くと僕がいつも思い出す言葉がある。
それは小説家の村上龍が、とある韓国人読者に質問した時のやりとり。

村上龍「(僕の作品の)どこが面白いの?」
某韓国人読者「近代化を急ぐ国の、人間の精神の未来が書いてある」
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by shinobu_kaki | 2008-12-24 15:06 | ライフ イズ | Trackback | Comments(0)

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