2009年 01月 18日
アーティストと悪戯心。
偏見(イメージ)のみで欧州を斬る!的な、世界のニュース。
チェコ政府、トイレ模様の地図でブルガリアに謝罪
これは何かっていうと、
チェコがEU議長国になったことにともない作られた、
EU各国をモチーフ、というかネタにしたアート作品らしい。
作品名は「Entropa」。
拡大画像はこちら
イタリアはサッカー(というか「カルチョ」)。
ベルギーはワッフル。
チェコはガラス。ボヘミアングラスが有名だからね。
デンマークはレゴ。
ドイツは高速道路「アウトバーン」とハーケンクロイツ。
このへんからもう怪しそうな雲行き。
「世界は神が作ったが、オランダだけはオランダ人が作った」
と言われる低地オランダは、海面下に沈んでいる。
ルーマニアのドラキュラもずいぶんとステレオタイプだし
(日本を、忍者やサムライのモチーフで表現するようなものである)、
同性愛反対の国ポーランドはレインボーフラッグがモチーフだし、
マクドナルドでもストの起きるフランスは、
「ストライキ」を意味する横断幕が掲げられている。
で、問題になっているブルガリアは「トイレ」だった。
ルーマニア=ドラキュラぐらいのストレートさで言うならば、
僕なんかはブルガリアはヨーグルト以外にないとまでに思っちゃうんだけど、
なぜブルガリアはトイレになってしまったのか。
世界のトイレ&トイレ看板というサイトを見ると、
この作品でモチーフにされたブルガリアのトイレは、
「トルコ式トイレ」と言われるもので、和式便所に似たスタイル。
確かに他の洋式と比べると独特だが、
トルコ式という名前が示すように、別にブルガリアオリジナルではない。
まあどちらにせよ趣味が悪いというか、
侮蔑的と取られても仕方のない表現となっており、
チェコが国を挙げて「ウチの作家がどうもすみません」と謝罪する騒ぎになった。
ま、この展開も含めて作ったアーティストにとっては、
むしろ「してやったり」という感じなのだろうけど。
いたずらが大ごとになるという状態こそ、アートの本質的な一面だからね。
アートっていうのは姿勢のことなんだ。
そういう意味では「ロック」なんかと言葉のポジション的には近いよね。
現状打破、革新を求めるスピリッツということではね。