「エスクァイア」のない世界。


朝から雪の東京である。

今朝、sorariumを見てびっくりしたのだが、
『エスクァイア日本版』が休刊だそうである。
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驚きはしたものの「やっぱり」というか「ついに」というか。

読まなくなって久しい「エスクァイア日本版」だが、
非常にスノビッシュな世界への背伸び的憧れとともに、
20代の頃の僕は「エスクァイア」を購読していた。
ある程度のお金を使った高等遊民的な遊び方とアイテム。趣味性。
それを象徴するかのような奔放対談連載「クラブシャングリラ」も好きだった。
ピート・ハミルのコラムも良かったしね。

僕は90年代「エスクァイア」のザラザラした感じが好きだった。
もちろん「エスクァイア」の提示する世界は洗練のあるものだったけれど、
終始アメリカを向いていたそのスタンスによって、
どこかのっぴきならないザラザラした感触が、
雑誌の通奏低音として響いていたように感じられたのだ。
「エスクァイア」のザラザラ感は、アメリカのザラザラ感だったと思う。

しかし2000年を過ぎたあたりから、
「エスクァイア」はより全方位的になったように感じた。
アメリカだけを向くのではなくなり、
そのため雑誌としての個性が薄れたように思った。
この時代において、いつまでも「イージーライダー」ではいられない。
だが「イージーライダー」的なものが完全になくなったのが、
近年の「エスクァイア」だったと個人的には思っている。

雑誌の休刊のきっかけは主に経済的なものである。
『エスクァイア日本版』も例外ではない。
自ら引き際を設定する「広告批評」のようなパターンは珍しいのである。

あ、そうそう、今は「和楽」などを手掛けている、
アートディレクターの木村裕治氏のデザインも大好きだった。
シンプルで男性的で、強くて、繊細でね。

たとえ読まなくなっても「エスクァイア」は、
僕にとって気になる雑誌だった。
しかし「エスクァイア」はこの世界から姿を消す。
なんだか少し、座りの悪い気分である。
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by shinobu_kaki | 2009-02-27 10:51 | shinoBOOKS | Trackback | Comments(0)

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