「R25」のつくりかた

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2004年に発行され、いまや首都圏のどこに行っても見かけるようになった、
フリーマガジン「R25」。
その創刊されるまでの顛末と創意工夫が分かる本。
「R25」はM1層と呼ばれる20〜34歳までがターゲットなのだが、
度重なるグループインタビューや居酒屋などでのざっくばらんな「取材」により、
実に慎重に、誠実に、そして等身大の「ユーザー視点」で、
このフリーマガジンが立ち上げられたことが実感できる。

「サルでもわかる」「いまさら聞けない」がNGワードというのも良かった。
それは徹底した「上から目線の排除」ということだ。
このへんはM1層のインサイト(内面心理)の分析から導かれている。

つまりM1層(20〜34歳男性)とは、
「多忙な中、時間を有効に活用したがっている。
その内面は、自分の価値に一番関心があり、自意識過剰でカッコつけ。
そこそこイケてると思っているが、確信はない。
顔には出さないが不安感もある。だから実は助言がほしい」という世代。
やたらと情報量が多いゆえに、動く前に吟味する習性があり、
騙されたくない、恥をかきたくない、損をしたくない、傷つきたくない。
「誰から見ても正しい」というチョイスをしないと我慢できず、
傷つきやすいためにいつも「真剣ではないよ」というスタンスを取りがち。
そんなM1層を著者は梅干しに例えている。
「傷つきたくないから薄皮で身を守り、つつくと中身がブヨっと出て、
そして奥のほうに固い芯がある」
なかなかにしんどい、つらい世代だと言うのである。

著者であり、創刊スタッフであるリクルートの藤井大輔氏は1973年生まれ。
僕とほとんど同じ年齢である。
新しい事を始めるには、やっぱりこの辺の世代がポイントになるのだね。
同じような年代の著者、そして「徹底したユーザー視点」という部分で、
以前読んだ「コミュニケーションをデザインするための本」と、
どこか共通するものを感じながら読んでいた。

前にも書いたと思うけど、いつもリクルートの情報誌はよく出来ている。
きちんと整理されており分かりやすく、デザイン性も高い。
デザインはさておき、情報の整理に関しては本書の中に良い一文があった。

「誤解を恐れずに言えば、取り扱い説明書をものすごくわかりやすく作るスキル」

これがリクルートの情報誌編集に求められる能力だという。
なるほど、という感じである。


「R25」のつくりかた
藤井 大輔(日経プレミアシリーズ)

参考リンク:
amazon-「R25」のつくりかた
TABLOG-Tabata Shintaro
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by shinobu_kaki | 2009-04-21 11:52 | shinoBOOKS | Trackback | Comments(0)

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