半分の休日と「ファンタジウム」。

6時過ぎに起きた日曜日。
今朝は少しひんやりしている。雨の予報。

でも、昨日は暑かったね。
どうにも亜熱帯帝な気分だったので、昨夜はタイカレーを作って食べた。
煮込むような家のカレーではなく、ナンプラーの日和。


講談社モーニング・ツーのサイトで試し読みして面白かったので、
杉本亜未「ファンタジウム」を3巻通して読んでみる。
面白い。一気にぐいぐいと読まされてしまった。

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「ファンタジウム」の主人公は長見良。
圧倒的なマジックの技術と才能を持つ中学生だ。
見た目は小学生と言われるほど幼い。
だがその言動はどこか老成しており、人生を達観しているようにも見える。
名マジシャンの薫陶を受けた長見良のテクニックはまさに世界レベル。
でも同時に重度の難読症(発達性ディスレクシア)でもあるため、
学校や父の仕事の手伝いなどにも支障をきたし、周囲にバカにされている。
知能とは関係なく、読み書きがまったくできない病気だからだ。
なので学校では悪質ないじめの対象にすらなる。
家は裕福ではなく、父は暴力的で、家に帰らず公園で寝泊まりしたりしている。
物語は、亡くなった名マジシャンの孫であるサラリーマンの北條が、
長見良と出会うところから始まる。長見はジャージ姿で、
非合法カジノで雇われギャンブラーとして腕を振るっていた…。

あれほどに鮮やかなマジックの技を「必殺技」として見せるのではなく、
あくまでこの作者は「一人の障害を持つ少年の心の話」として描いている。
少年漫画的ではない。このアプローチが意外だった。
なので物語全体に漂う空気はそれなりに重く、浮ついたところが無い。
それだけに「ここぞ」で繰り出されるマジックのシーンは本当に鮮やかで、
まさにステージを観ているような読後感なのだが(思わず拍手をしたくなる)、
「ファンタジウム」はその「華やかな武器」をメインにしないのだ。
ストイックと言えばストイックである。
2時間の映画の中に、ラスト30分間だけマジックシーンがあるような感覚だ。
この漫画はその地味さゆえに大ヒットはしないだろうが、
ドラマとしてきちんと面白く、「読んでおくべき傑作」として、
認定されて良いのではないだろうか。

あと、主人公の長見良をはじめとして、
この人の描く人物は艶っぽいというか、どこかなまめかしい。
描線が丁寧で、フェティッシュだからだろうか。
それはこの作者がBL出身ということもあるかもしれない。
そういえばこの漫画は男性が話の中心で、ヒロインとなる女性が出てこないね。
この構造で行くと、ヒロイン役を担っているのは長見良ということなのかも。

冒頭で触れたが、
モーニング・ツーがまるごと1冊ウェブで読めることになっている。
最初、広告を読んで思ったのは、
「ウェブで読んだら本誌を買わなくなるんじゃないか。大丈夫か?」だったが、
今回の僕のようにサイト経由で興味を持って漫画を買うパターンがあるのだから、
こういうニッチなターゲットに向けたものとして機能しているのかも。


さて、今日は昼から出社です。
ここのところゆったりしていたけど、仕事がすごいことになって来た。
がんばりましょう。
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by shinobu_kaki | 2009-05-24 07:43 | shinoBOOKS | Trackback | Comments(0)

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