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BOOKISH and STATIC.


ウェブ上に日々放り出される膨大なテキスト、データ。
無限に増殖しつづけるこれらは、いったいどこへ行っているのだろう?
「完全にコピー可能」なことがデジタルデータのひとつの大きな特徴とだしても、
そんなことを繰り返して、いつか何かが一杯になってしまわないのか。
地上というスペースだって、一人の人間のキャパシティだって、
限りがないということはない。いつかは一杯になってしまう。

めずらしくソファに横になって目を瞑ってじっとしてみる。
思えば今まで、本当に何もせずにじっとしているという時間はなかった。
もちろん眠っている時は別だが、いつも何かしらやっていた。
それはネットだったり読書だったりゲームだったりするわけだけど。
僕は子供の頃から食事時にも本や漫画を手放さない行儀の悪い子で、
比較的ブッキッシュな子供だったと言える。
その傾向はいい加減それなりの年齢になった今でも続いていて、
通勤電車などの移動中でも本を持っていないと落ち着かないのだ。

だから珍しく何もせずに目を瞑っていると、
普段なら、日常的に入ってきていたはずの情報の残響のようなものが、
ザワザワと音を立てて流れているように感じられる。
例えば誰かによって書かれたテキストは言わば他人の声として、
ひとときも止む事なく周辺に鳴り続けていたことがそこでわかるのだ。

瞑想は続く。

そんなふうにじっとしていると、あるイメージが浮かぶ。
それは10メートルほどの深さの、
光射す明るい海の底に自分が仰向けに寝ていて、
水面のゆらゆらとしたゆらぎを感じているというものだ。
それは静かで穏やかで、とても癒される状況の理想像ではあるのだが、
どこへも向かう事はできない。

しかし起きて歩き出すには少々疲れ過ぎているのだ。
自分はきっと、本当にシンプルな原理原則で動いていて、
シンプルというのは多分にフィジカルということだ。
お腹が一杯になれば穏やかになるし、身体の疲れが取れれば元気になる。

だから、もう少し休んでから目を開ける事にしよう。
by shinobu_kaki | 2009-10-04 09:19 | ライフ イズ

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