アフォリズム 宮崎駿

「通俗作品は、軽薄であっても真情あふれていなければならないと思う。
 入口は低く広くて、誰でも招き入れるが、
 出口は高く浄化されていなければならない。
 貧乏ゆすりの肩代わりや、低劣をそのまま認めたり、
 力説したり、増幅するものであってはならない。
 ぼくはディズニーの作品がキライだ。
 入口と出口が同じ低さと広さで並んでいる。
 僕には観客蔑視としか思えないのである」


宮崎駿(映画監督・アニメーション作家)
参考資料/青井汎「宮崎アニメの暗号」(新潮新書)




彼はエンターテイメント作品に対して、
「ただ楽しめればいいもの」とは捉えていないことがわかりますね。
つまり作品は観客に何らかの変化を与えなければならない、としています。
観客を一段上に引き上げる「仕掛け」とはなんでしょうか。

「人と自然」「森」「神話」「五行」「アニミズム」「ケルト」「スペイン」
「母性」「非対称性」「異界」…
宮崎アニメはこんなキーワードで統一されてもいる。
子供から大人まで楽しめて、深いテーマ性があって、明快だが明解ではない。
すごい作家だと思います、宮崎駿。

ちなみに「もののけ姫」は屋久島の自然によく似ている、
との指摘が田口ランディはじめ各方面で多数ありましたが、
宮崎駿ら製作スタッフは実際に屋久島合宿をしたうえで、
あの映画を作ったんだと遅まきながら最近聞いた。
似てるはずだよね。
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Commented by Ring@イカサマ at 2004-08-27 16:10 x
「作品の中でキャラクターが成長しない文学は駄作である」というのは
意識の高い作家の間では定説のようです。
たしかに、社会的歴史的な存在意義に特化するとそう言えるのでしょうね。
Commented by umi_urimasu at 2004-08-27 20:46
宮崎駿の場合、彼が自分の作品に到達させたい場所と、アニメーションという形式におけるビジネス的な制約が、大きな乖離を生みつつあるのではないかと思いますが。端的に言うなら、「時間が足りない」というか……。

できることなら、10時間ぐらいの超・大長編映画を一度作ってもらいたいものです。

あー、突然お邪魔してすみませんでした。
Commented by shinobu_kaki at 2004-08-27 21:03
いまだ日本のアニメーション環境は良しとは言えません。
なにしろギャラが安く、
その基準を無邪気に作った手塚治虫を宮崎駿は叩く、
その気持ちもむべなるかな。

国民的スター、またはそれに準ずる評価でありながら、
報酬にさしたる執着を見せなかったがゆえに、
働き手の年俸基準が低く低く押さえられてしまった現象は、
往年の王・長嶋のそれを思いださせます。

しかしインプットの持ってきかた、
もともとが「命を吹き込む」という意味の言葉である「アニメ」と
テーマとしてのアニミズムの絶妙なシンクロ(一見別だが)、
宮崎駿はなんだかんだ言って傑物です。
by shinobu_kaki | 2004-08-27 15:31 | アフォリズム | Trackback | Comments(3)

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