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年は暮れてゆく。

夜。
火の用心の拍子木の音が歩いていくのが聞こえる。
街は神妙にその音を聞くように静まり返っている、ように見える。
実際に帰省や何やらで、人の数は減っているのだろう、
車の数が少ないことも含めて、街はなんだか静かな面持ちだ。

窓際のPCでこれを書いている。
ほぼ真上に昇った月が頭上から照らしている。

僕も、明日の昼には東京を発つ。
秋田行きの新幹線に乗って、田舎へと向かうのだ。
荷造りもほぼ終わり、遅れてしまった年賀状を今さら書いている。
今夜中には切手を貼って投函する予定だ。
元旦には着かないだろうと思われるが、そこはどうかご容赦願いたい。
というのも今回の年賀状には「とある仕掛け」があり、
1月3日までに着けばまあ、その仕掛け的には必要充分だからだ。
もちろん、本来年賀状は元旦に着くべきものであるというのも知っている。
だからこれは、エクスキューズだ。許して欲しい。

真上の月は少しずつ移動している。

年の瀬だろうが世の中は相変わらず動いて行くし、
普段と変わらずニュースはあふれ、個人的に本もいくつか読んだ。
ここで紹介したり言及したりしたいネタはあるのだが、
この年末独特の収束感がそれを許さない。
普段と同じような心で、フラットに何かを語る気分にはなれないのだった。
だから、書かない。静かに新年を迎えたい。

1年ほど前だろうか、大晦日は一種の葬送で、
新年は新たな再生の儀だという主旨のことを書いた。
日本人にとって年越しはパーティではなく、
どちらかというと荘厳でしめやかなものだからだ。
除夜の鐘はテンカウント・ゴングだ。そういうことを書いた。
僕も、今年は田舎で静かに年を越す。
1月からは個人的に環境も変わる。変化はいつも不安と期待がある。
きっと、けたたましく始まるであろう2007年を前に、
まるで雌伏のように大人しく、しかし楽しく、田舎の正月を過ごそうと思う。

…って、やっぱりなんか年末はどうしても、
リリカルな調子になってしまうのだねえ(笑)

みなさま、どうか良いお年をお迎えください。
いい年にしましょう。
by shinobu_kaki | 2006-12-30 23:05 | ライフ イズ | Trackback | Comments(0)
読んでいて「おおっ」と思わせる、
目を見開くような、頭を心地よく叩かれたような、
そんなディライトな瞬間をもたらす小説は良い小説だと思う。

伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」は、まさにそんな一作だ。
二つの物語が交互に進んでいくカットバックのような形式、
村上春樹「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」に見られるあれだ。
ここでは「現在」の物語と「2年前」の物語が交互に語られる。
2つの物語が溶け合い絡みだしてクライマックへとなだれ込む様は圧巻、
さらに伊坂幸太郎に用意されたある「仕掛け」によって、
あなたは気持ちの良い裏切りを感じることになるだろう。
おおっ、なるほど、そうだったんだ…。

それにしても伊坂幸太郎はアイデアのある小説を書く人である。
僕はミステリをもともと読まないので、全てがとても新鮮に感じる。
随所に伏線をちりばめて、それらを次々に「消化」していく。
そういう意味で、読み終わった後にはさっぱりと何も残らない。

例えば村上春樹の文章は個人的な手紙を読むような独特のリズムがあって、
その語り口に浸ること自体が読む楽しみとして機能する作家である。
伊坂幸太郎の文章そのものは特別なものとしては機能しない。
文章はアイデアを伝える、物語を読み進ませるためのツールと思わせる。
読んだ人に何かを残し、心情的変化をもたらすものが文学だとすれば、
伊坂作品は文学にあらず、しかしまぎれもない良質なエンターテイメントだ。

アイデアといえばもう一つ、僕がこの人の作品で気に入っていることがある。
それは、ある作品の登場人物が別の作品にも出てくる、というもので、
伊坂作品の世界は繋がっている、リンクしあっていると言えるのだ。

手塚治虫の作品に顕著なのだが「スターシステム」という方法がある。
漫画の登場人物を俳優(スター)のように扱うやり方で、
いろいろな作品に、同じキャラクターが名前を変えて登場し活躍するというもの。
ややもすると作者の自己満足に留まってしまうかもしれないが、
読者としては、その作者の世界に対してより一層の親近感を抱くことができる。
伊坂幸太郎の作品世界のつながりは、このスターシステムを連想させる。
彼の作品を読むにあたって、新たな楽しみが生まれるのである。

「アヒルと鴨のコインロッカー」を読み終わったばかりだが、
すぐに2回目を読みだした。僕にしては珍しいことだ。
しかし、先に書いた「仕掛け」を知ってからはもう一度読まずにはいられない。
読み終えていたはずのエピソードの全てが、違う角度でもって立ち上がってくる。
思考の死角を突かれた感じ。オセロのように視点ががらりと変わる。
スティング。してやられた。そんな心地よい裏切りの味わえる良作である。

「WEB本の雑誌」によるレビュー集
by shinobu_kaki | 2006-12-29 12:29 | shinoBOOKS | Trackback | Comments(0)

好きな色。

本来はバトン…なんですけど、
聞かれてもいないのに勝手にやってしまいます、
カラーバトン。


■好きな色は?


新生銀行のカードとか、電通の名刺とか、
すごいたくさん色があってその中から選べる、という企画があるよね。
つまり「マイカラー」を選ぶわけだけれど、
やっぱりそういう時に選んでしまうのはアースカラー。
ベージュとか、茶色とか、暖色系のヤワラカ色が好きです。
一般的に茶色を好むのは年輩の人間と言われている。
ちょっと保守的で臆病、みたいに自己分析してみる。
オレンジも好きだし、少しオレンジ寄りのイエローも大好き。
色温度的に暖かい色が好きですね。
例えば青でも、赤の混じった青、色を感じるグレーとかね。


■嫌いな色は?

ケミカルな色。青の入ったグリーンとか。
グリーンでも深みのある色は好きなんですけど。
きついピンク、きつい紫。重い色、くどい色。


■携帯の色は何色?

シャンパンベージュ。


■あなたの心の色は何色?

なんかいやらしい質問ですね(笑)
今の?それとも、普段の?

今は、大事な人とちょっとケンカしてしまったのでダークブルー。
でも天気が良いので透明感のあるライトブルーを感じつつ、
いつもは頼りないほどにソフトなベージュ系、ってとこでしょうか。


硬質より軟質。幹より枝。うわ澄みが好きなのかね。
軽い、軽い…。
by shinobu_kaki | 2006-12-27 11:23 | エウレーカ! | Trackback | Comments(4)

ラーメンについて。

地方の味覚が味わえる物産展で、
もっとも人気があるのは圧倒的に北海道だそうなのだが、
確かに北海道の味覚というのはなかなか素晴らしい。
東京都内でも、北海道料理の店にあまりハズレはない気がする。

北海道といえば味噌ラーメン。
味噌ラーメンを考案したのは札幌「味の三平」の大宮守人氏で、
(昔、漫画「包丁人味平」のラーメン篇で覚えた)、
濃厚な味噌にバター、コーンの取り合わせはとても相性がいい。
味噌の個性が強くて支配的な味噌ラーメンは、
どんなものでもそこそこ美味しい気がする。味噌自体が美味いからだ。
そんな味噌ラーメンは逆にオリジナリティが出しづらく、
「不味いものもないが、とんでもない美味いという味噌ラーメンはない」
と評価される。言いえて妙である。

ラーメンは言わばブランドもので、全国各地に「ご当地ラーメン」が存在する。
北海道の味噌ラーメンしかり、喜多方、東京、佐野、京都や和歌山、
尾道、博多、熊本…本当に多彩である。
こういった定着の現象を見ても、ラーメンというのは日本の国民食なのだ。
※ご当地ラーメンについては、wikipedia「ラーメン」の項に詳しい。
(なぜかリンクが貼れなかった)

ちなみに九州の人に言わせると、
「九州じゃんがららあめん」や「一蘭」あたりは地元に近い味らしい。
長崎ちゃんぽんのチェーン店「リンガーハット」は、
長崎人から見てもちゃんと美味しいらしい。安いし。

まあ忠実に現地の再現じゃなくても、美味しければいいやね。
さて、今日の昼はなにに…
by shinobu_kaki | 2006-12-26 11:57 | ライフ イズ | Trackback(1) | Comments(4)
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というわけで、昨日のイブ、横浜赤レンガ近辺の夜景です。
さすがにカップルだらけではありました。

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レストラン。メインは肉でした。

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キャンドルが並んでいました。綺麗。

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港の地面を照らす灯り。

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やっぱりキャンドルはノエルな感じ。

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ちょっと寒かったけれど、赤レンガから氷川丸まで歩きました。
中華街、石川町。そして東横線で帰途についたのでした。
by shinobu_kaki | 2006-12-26 00:17 | チープ・トリップ | Trackback | Comments(7)
昨日のクリスマスイブは横浜に行った。(写真は後でネ)
赤レンガ近辺はやっぱり抜群にキラキラだったね。
ちょっと寒かったけれど。
日が暮れかける早目の時間から、レストランで食事。
窓から巨大なクロック、あの観覧車が見えていた。

数えるともう一週間ほどで2006年は終わり。
かならず交わされる言葉のひとつだが、もう年末である。早い。
まあ、「なかなか年が暮れませんね」「今年は遅いですね」
などという挨拶はついぞ聞いたことが無いので、
「早いですね」というのは何というか単なる社交辞令のようなものだ。
ぶれようのない同じような実感を共有することで相手との親近感を増す、
「寒いですね」とかいう時候の挨拶とまったく同様である。

今年は家のドアに、小さいクリスマスリースを飾っていた。
ちょっとしたことだが、なんとなくかわいい気分になる。
それも今日で外さなければならない。クリスマスも終わり、お役御免なのだ。

年末に向けてやらなければならないことはいくつもある。
その筆頭は年賀状書きだ。正確には、年賀状の宛名書き。
週末に出来なかったので、この数日間、
会社から帰ったら書く時間をつくらないとね。

前にも書いたが、今年は地元・秋田で年越しをする予定である。
大晦日には新幹線に乗るが、今年は宿を含めチケット類はすべて入手済み。
昔は行き当たりばったりで、ぎりぎりまで帰る日を決めずに行っていたため、
新幹線の席のチケットが取れず、通路に立って帰ったことが何度もある。
東京から秋田の距離を立ったまま移動というのはなかなかつらい。
退屈しないようにと、駅で本や雑誌や新聞を買い込んで、
通路にしゃがんで読みながら帰っていた。
CDウォークマン(懐かしいね)に入れたCDは、
何度も何度もリピートして聞くことになり、あっという間に飽きてしまう。
通路には同じような境遇の人たちでごった返していて、
立ち旅の疲れと、座りたいのに座れないというストレスを顔に浮かべて、
あの新幹線のバイリンガル車内放送を聞くのだった。

今年は家で年越し、その後はスキー場の近い温泉へ。
スケジュールが許せば、あの玉川温泉へも行ってみたいと思う。
しかし、まあそれはどちらでも構わない。

夜、音のない田舎の冬の“しん”とした感じ、
雪、極端に色彩のなく果てしない白い世界、
食、ちょっと塩っ辛いくらいの東北の美味たち。

この辺がささやかに、ゆっくり味わえれば、それでいいと思う。
by shinobu_kaki | 2006-12-25 17:36 | ライフ イズ | Trackback | Comments(5)
今週はクリスマスウィーク。
イルミネーションに彩られた銀座、
さらにアーバンドック豊洲のキラキラなどをご覧ください。

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皆様、良いクリスマスイブを!
by shinobu_kaki | 2006-12-23 23:28 | チープ・トリップ | Trackback | Comments(0)
「十」を超えて、いつまで続く「夢十夜」カテゴリ。

昨日は「いなくなった人」の夢を見た。
会社から去ってしまったSさん、Yさんが現れ、
夢の中でも「いなくなってしまった人が姿を見せた」という設定だった。
現在の社内に残った「現役」の人たちから、
お久しぶり、めずらしいですね…そんな声が飛ぶ。

さらに、十年も前に他界したはずの父親も出てきた。
父親が夢に出てくるのはとても珍しい。
年末に帰ったら墓参りに行こうと決めているのだが、
僕のほうに何か意識しているものがあったのだと思う。

父親は生前よく着ていた丹前を羽織り、
障子戸を開けて、たたみの上に布団の敷かれた寝床に現れた。
ひんやりとした冬の部屋、2人で小さい土鍋をつつきながら、
二言三言、小さく会話をした。そんな夢。


だからというわけではないが、
今日の昼は新橋駅前の「四季ぼう坊」で土鍋ご飯。
昨日、青山の出向元の会社から「そろそろ戻って来い」との辞令が出て、
名残惜しいのだが1月いっぱいで汐留を去ることになった。
なので、今のうちに新橋近辺で行きたかった店に行っておこう、
そんな気持ちがあった。
「四季ぼう坊」はいい具合にくたびれていて、
香港の場末の中華料理屋、といった風情。
アツアツの土鍋ご飯をいただいた。
雨すらパラつく12月の寒空、おかげでとてもあったまった。
by shinobu_kaki | 2006-12-22 14:15 | 夢十夜 | Trackback | Comments(2)

すごいカツ丼。の記事。

有名サイト「やまけんの出張食い倒れ日記」を覗いたら、
なんだかすごい記事があった。


知ってますか?新潟県は豚肉消費量が日本一! 
新潟市内のタレカツ丼の奥深さを観た!



超大盛りカツ丼、カツが計6枚って。
しかも同時にカニ焼きめし食べるって。


美味そうだけど…
美味そうだけど…


写真見てるだけで胸焼けしそうです。
こんなに食べられる体力がすごい。
病気になるんじゃないか

しかし、ごはんの中にカツを潜ませるって…。
それも2枚。

食べるほうもすごいけど、作るほうの発想もすごいね。

ちなみに「とんかつブログ」といえば、こちらでしょうか。
1000円以内!東京トンカツ食べ歩き


では、一年を総カツして。

【KHAKI DAYS トンカツ記事一覧】

かつ丼をつくってみました。

二子玉川「とんかつ大倉」

新橋「まるや」のヒレカツ定食。

渋谷「とんかつ勝一」

恵比寿でとんかつ。「天津」

カツ丼ふたたび。新橋「燕楽」

これがとんかつの完成形。淡路町「勝漫」

コロモが違う。とんかつ「燕楽」

寝起きのキムカツ。

一年以上前のものもありますけど。
しかし、けっこう食べたねー。ぶうぶう。
by shinobu_kaki | 2006-12-21 16:50 | 最初の一皿、最後の一杯 | Trackback | Comments(2)
年末です。
あちこちで一年を総括する話題がかまびすしい時期。

そんな中、Googleが発表した
2006年に検索されたキーワードの総合ランキングはこちら。

1位「地図」
 ウェブ地図はとても便利ですよね。
 住所を打ち込むと、その場所がピンポイントでわかる。
 店の場所がわからなくても、もう迷わない。
 最初はてっきりこの件かと思いましたけど。
 転載の問題なんかで、いろいろ揉めてたみたいですね。

2位「翻訳」
 エキサイト翻訳、は使えるような使えないような。
 単語の意味を調べるのにはいいけれど、
 センテンス単位ではトンデモ和訳が飛び出すからなあ。

3位「辞書」
 あまりウェブの辞書を調べることはしない。
 「○○とは」 というふうに、言葉の意味が文章で載っていると思われる
 ウェブのページを検索します。それで大体わかる。
 単語や名称だけ打ち込むと、主にWikipediaのページがヒットします。
 Wikipediaは誰が書いているのかわからないという要素があるので、
 果たして信用できるのか…なんて思っていたんですけど、
 面白いことに、間違った情報は誰かが手を加えることになり、
 しっかりと情報が精査されていくんですよね。
 なんとなく「見えざる手」ということを思います。
 Wikipediaというシステムは面白い…と思ったら、
 Web of the Year 2006を受賞してたみたいですね。さすがだ。

4位「動画」
 Youtubeが大ブレイクの一年。面白い動画を紹介しているページも数知れず。
 個人的によく見る動画は、サッカーをはじめとするスポーツ動画、
 ニュースハプニング系、それから昔のゲームの動画なんかも好きです。
 テレビ番組系は見ないですね。テレビ見ないし、あのリズムがもう駄目だね。

5位「ほしのあき」
 よく知りません。

6位「天気予報」
 Mixiの天気予報で十分だったり。
 旅先など、遠地の予報はヤフーで見ます。

7位「au」
 ちなみに僕の携帯もau。
 今年はMNPことモバイル・ナンバー・ポータビリティが話題に。
 auには申し込み殺到したらしいですが。電波の入りが良い印象。

8位「価格」
 ソフトバンクのアレ、「価格.com」などの価格サイト。
 電子商取引は一種の流通革命ですよ。

9位「郵便番号」
 特に年賀状の時期には活躍か。

10位「倖田來未」
 「こうだみく」って言う人、けっこういるよね。


いまや「検索」そのものが時代のキーワードで、
広告制作の概念としても重要なものとされています。
インターネットアドレスを長々と表記しても、一文字ずつ打ち込む人は少ない。
実は検索をかけたほうがよほど早くページにたどり着けたりするよね。
その印象が強かったのが、ちょっと前の三井不動産の「芝浦アイランド」の広告。
スマップを使ったこともインパクトがあったし、
アートワーク全体もとても美しくて良いものだったけれど、
「芝浦の島」で検索してください、というあの打ち出しは、
この表現の嚆矢にして、最も洗練された表現だったと思うね。
by shinobu_kaki | 2006-12-21 11:11 | エウレーカ! | Trackback | Comments(0)

移動祝祭日


by Shinobu_kaki