2004年 09月 09日
誕生日。
港区の某barのカウンター、
近くの席に座った女性の話。
彼女は近くのお店のママ的な立場の人で、僕は初対面。
連れの男性にと言うよりは、
お店の人たちみんなに届くように話した。
「うちのお店に入ってまだ数ヶ月の、十代の若い男の子がいるんだけど、
彼はすごい真面目なイイ子で、ほんとによく働いてくれるの。
礼儀も正しいし、きっといい親御さんにきちんと育てていただいたんだろう、
そんなふうに思える子っているでしょ?そういうタイプなのね。
うちはまあそんなにお給料も良くはないし、彼も見習い同然の子なわけだから、
まあ貧乏といえば貧乏よね。たいした贅沢はしてないし、できないと思う」
「その子が昨日、『お給料を前借りさせてください』って言ってきたのね。
むだ遣いするタイプじゃないし、かと言ってむやみに借金するようなタイプでもない。
そんなことを言いだしたのは初めてだったし、
私は聞いたのね、あなたどうしてお金がいるのって」
「そうしたらね、もうすぐ誕生日なんだって。彼の。本人の。
変でしょ?自分の誕生日に自分がお金を用意しなきゃならないなんて。
そうしたらね、その子が言ったのは、
『僕は毎年、自分の誕生日にお母さんにプレゼントをしているんです』だって。
普通、逆よね。自分の誕生日に自分がお祝いをもらうものよ。
でもそうじゃなくて、その子はお母さんに、自分を産んでくれた感謝を込めて、
毎年プレゼントを贈ってるんだって。素敵よね。そう思わない?
まあ前借りしないといけないほどお金がないのはどうかとは思うけれど(笑)」
深いところに灯がともった。そんな感じの話。
というわけでよーじさんの「誕生日の在り方」にトラバ。
こちらもぜひ。