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横浜サニーサイド。

夏休み週間、とでも言うべき一週間が終わった。

金曜日に休みを取り、週末をはさんで、
さらに月曜から木曜まで休みを取った。
だから金曜日の1日出社して、また週末ということで休んだ。
体感的にはなかなかの長期休暇である。

休暇中は特に大きなイベントをこなしたというわけではない。
妻と娘と三人で横浜に行ったのが最も大きな行事だった。
横浜の中心にあたる駅の近くに宿を取り、
たった1泊2日ではあったのだが、
周辺を歩いたり電車に乗ったりして見て回った。
向日葵もぐったりする暑さの地上を歩き、
エレベータで昇っては空中からの横浜港を見下ろし、
独特のあの香りのする中華街をそぞろ歩いた。
妻と並んで、娘を腕に抱いて。

横浜は良かった。
まず何と言っても娘の大好きなアンパンマンミュージアムがあるし、
海が近く、街並は都会的で、中華街は美味しい。
東京都心に見られるような殺気立ったストレスもあまりない。
もちろんそれは僕らが観光地然としたエリアを選んでいたこともあるが
(実際、横浜も雑多なエリアは非常に雑多である)、
歩いていても非常に快適に感じられた。また、行こうと思う。

みなとみらいあたりの「作られた街感」も好みだ。
人によっては暖かみがないとして嫌う向きもあるだろうが、
何しろ僕は西新宿のあの人工的な感じだって大好きなのである。
中途半端でない、特化された空間の心地よさ。

馬車道、日本大通り、桜木町、関内、元町…。
ひとつひとつの街が個性的かつ魅力的で、
降り立った一駅ごとに明らかな色の違いが見える。
それぞれでも十分に楽しいエリアなのに、
それらが数珠つなぎに連なっているのが、
横浜の大きなチャームポイントと言えるだろう。

そして何より、港町というのは元来魅力的なものなのである。
西の神戸や長崎においてもそうなのだが、
街自体に解放感と異国情緒が横溢していて、
日本の土着とは明らかに異なった文化のちりばまりが、
「いつもと違う場所を歩いている」という、
確かな実感を後押ししてくれるのだ。

人は何のために旅行をするのだろう、と思う。
もちろん人の数だけ旅行の目的や楽しみ方はあろうが、
僕は「日々の確認作業からの一時的解放」ではないかと思っている。
誰もが毎日、自分というものを確認しながら生きている。
環境や他人はその鏡だ。それらが変わらずにいてくれるから、
我々は自分が自分であると認識し続けていられるのである。
そして旅に出ると、そんなモードが少し変わる。
環境にひもづく日常的ルーティンがなくなるからである。
そんな状況が日常を外側から見る事につながり、もう一度泳ぐための、
プールサイド休憩のような役割を果たすのではないか。

一人旅と家族旅行ではニュアンスが違うのはもちろんだ。
独身時代、僕は一人旅を好んでしていた。
ただ海外に行くような大掛かりなものではなく、
例えば関東近辺で一泊するくらいの小さなものだった
(何度かは博多や京都などにも行ったけれど)。
そんな短い行程でも旅は素晴らしいリフレッシュになったし、
僕は本当によく歩いたので、歩いた道々の感じはよく覚えている。

知らない土地を目的もなくぶらぶらと歩くのは素晴らしい。
まさに最上の時間の過ごし方のひとつだ。
そんな自分のことは本当に安上がりな人間だと思うし、
また、そういったシンプルな嗜好性は、
実はなかなか悪くないんじゃないかと思っている。



関連エントリ:
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桜吹雪が風に舞う。
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上野建築散歩。
ズルズル真鶴〜がっかり猫たち篇〜
by shinobu_kaki | 2010-08-23 14:30 | チープ・トリップ

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