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あのー、ご趣味は?

趣味はナニ?
とか聞かれても、正直よくわかんない。

最近はそんな聞き方する人も少ないんだろうと思う。
「趣味はなんですか?」
なんて、まるでステレオタイプなお見合いの文句みたいだ。

いわゆる「趣味」の欄に書き込まれそうなコンテンツとして多いのは、
「読書」「音楽鑑賞」「映画観賞」
このあたりが王道だったよね(今はどうなのか…)。

確かに僕も週に数冊のペースで本を読むし、
雑誌も見るし、漫画も楽しむ。
でも、そんなのみんなやってることだし、
ことさらに「趣味」なんて言っていいのかわからない。

音楽。
テレビを見ない人はいても、
音楽を聴かない人はいないんじゃないだろうか。
それくらい音楽は人の生活の一部として存在してるよね。

夜、家でネットする時も、音楽かけて酒飲みながらだと、
なんかやたらリラックスできて楽しいものね。

細かい話はほとんど憶えていないけど、
誰かの有名な曲がヒットしたのは(もしくはクラシックの名盤?)、
人間の心臓の鼓動と同じリズムのビートだからだ、
みたいな話もあった。

人間は、言ってみれば「筒状の脈打つ水袋」みたいなもんだから、
リズムというのは実はとても大切だと思う。
さらにほぼ水分だから、満月の磁力によって体調が変わる、
というのも納得できる話だよね。

話題が逸れたので戻そう。

映画は、上の3つの中でもちょっと違う。
もちろん僕の中ではだけど。

映画は「都市生活者の精神旅行」みたいな意味がある。
映画に限らす、ほとんどのエンターテイメントというのは、
「自意識から自由になることができる」を存在理由にしていると思う。
なーんて書くと偉そうだけど、ようするに、
「日頃のヤなこととかを忘れて、夢中になれる」
ってことね。

映画を観ることは、
他人の人生を少しの間だけ生きられることだといえる。
もちろん完全にシンクロするわけじゃなく、
主人公の気持ちを、その状況を、風景を、ヨロコビや哀しみを、
「はざま」でかいま見る、その状態が快感なんだと思う。

あと、どんな映画でも描かれているものは基本的にはひとつだ。
それは、主人公の心象風景。
派手なアクションでも、壮大なスペースオペラでも、
非道なピカレスク・ロマンでも、
観客が感情移入できるのは描かれているのが心象風景だからだ。
それが骨子だと思う。
精緻なCGも、美しいランドスケープも、そんなものはすべて、
海老フライのコロモのようなものだろう(という例えはいかがなものか…)。

だから映画は趣味というより「滋養」に近い。
旅のそれに近いんだよね。
もちろんリアルとバーチャルの違いはあるけれども。

「非日常」という「あっち側」に行って、
気持ちをフレッシュにして帰ってくる。
泣いたりできるほど感情移入できれば、なおのこと良い。
「あっち側」に行くことで、「こっち側」である日常のあれこれが見えてくる。
つまり、相対化できる。
そのおかげで日常をなんとかスポイルされずに漕いでいける。
だから映画は自分にとってすごく重要。
もちろん小説にもそういう効果があるけれども。

だいたい「趣味」の定義ってナニヨ?
と思って辞書で調べると、
「利益などを考えずに、好きでしている物事」という
「まあ、そりゃそうだけどさあ」な答えが書いてあった。

損得抜きで、好きでやってること?
ありすぎて限定できない!(笑)

今はこのブログ書きが趣味と言えば趣味だ。
ただ、ひとつの記事に関してそんなに時間はかけないので、
(というか、忙しいとかけられる時間があまりない)、
仕事のあいまに思いついたらちゃちゃっとアップしてみてる。
たいして練ってもいない。練るほどの内容でもないしね。
一回見直すくらいでえいやっとアップ。すぐだ。
むしろ、人のブログを見てまわる時間のほうが長いかも。
そしてそれはすごく楽しい。

でも、「インターネット」を含めたこれらを
いわゆる「趣味」と定義づけしづらいのは、
読書も音楽も映画も、すべてブログにフィードバックされてるからだ。
読書などの「趣味」が料理だとすれば、
このブログは皿のようなものだといえる。
好みや体験、気になったことなどのあれやこれやの、
自分という全体を総括している。

ブログは、自分自身に近いのかもしれない。
by shinobu_kaki | 2004-11-08 14:19 | ライフ イズ

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