ないね!

しかし「TSUTAYA DISCAS」は便利だね。
オンラインで「借りたいリスト」を登録すれば、
次々DVDないしCDを送りつけてくれる。
近くにレンタルビデオショップがない不便さもこれで払拭である。
ちなみにレンタルビデオショップは、
DVD隆盛の今日においてもレンタル「ビデオ」ショップである。
ちょっとおかしい感じだが、「レコード業界」みたいなものか。
いまやレコードを聴くのはアンティーク収集家のみだ。

久しぶりに三谷幸喜脚本の「12人の優しい日本人」を観た。
カタルシスのある複雑に入り組んだ脚本になる作品の常として、
2回目の鑑賞は1回目ほどの感動とサプライズがない。
しかし「12人の優しい日本人」はそれでも十分に面白い。

元ネタとなった「12人の怒れる男」に劣らず、
もはやあまりにも有名な作品なので紹介は割愛するが、
この作品の醍醐味は入れ替わる人間の心理と怒涛のダイアローグにある。
つまり会話の妙味、ということだ。
その中でも、豊川悦司演じる陪審員の鮮やかさは秀逸だ。
競馬における差し馬のごとく後半にわかに存在感を放ち始め、
混乱し弛緩していた場の議題を収束する役割を演じる。
さらにはそれだけではなくて、ダメダメかと思われていた他の陪審員を、
終盤見事に「生かす」のである。導くのだ。
脚本が見事というほかはない。

このエントリのタイトルはそんな豊川が終盤放つ一言だ。
物語の「使者」として現れる豊川が、
確信に満ちた表情で「ないね!」と言うその顔には、
本当の意味での爽やかさがある。
いわゆる「主役」と呼べるキャストが存在しないこの作品において、
最も印象に残ったのはこの豊川の表情であった。
それは、観る者をなぜだか元気にしてしまう類のそれなのである。
by shinobu_kaki | 2006-06-08 12:08 | 人生は映画とともに
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