2006年 11月 04日
映画「クリムト」の頽廃と退屈。
別に文化の日だからアート系の映画ってわけじゃないけど。
クリムトを演じるのはジョン・マルコビッチ。
感想としては、難解で退屈な映画だったね。
美術とか、めちゃくちゃに綺麗ってわけじゃないし。
クリムトってまあエロティックな画風だよね。
映画にも、モデルの女性の裸がふんだんに出てきます。
で、クリムトってのはモデルに手を付けまくっていたと言われ、
当時のウィーンには彼の子供が30人はいたらしい。
なんだか凄い話だよね。
ここまで突き抜けてこその芸術家なのかもしれないけど。
当たり前の生活をしていて、当たり前じゃない作品が創れるわけがない。
ただ、彼が幸福だと思うのは、生前早くから才能を認められていたこと。
ヴァン=ゴッホのように死後はじめて認められるケースは多いから。
ちなみにウィーンを歩くと、クリムトの絵はポスターとして、
そこかしこに観られます。一番多いのは「ユディトI」かな。次に「接吻」。
クリムトは未だにウィーンのアイドルなんだなあ、と思った。
夢とうつつ、正気と狂気のはざま、走馬灯を観るような映画で、
どこまでが事実でどこまでがクリムトの幻覚なのかがあいまいに描かれている。
難解というか、何を伝えようとしているのかよく分からなかったな。
クリムト個人の人生や人間関係を掘り下げているでもなく、
世紀末ウィーンの時代を映すわけでもなく、
映画はひたすらサイケデリックな「イメージ」が現れては消える、という感じ。
あ、「分離派」の仲間であるエゴン・シーレも出てきます。
映画では、入院したクリムトの最後を看取るのは彼なわけだけど、
シーレはクリムトの死の同年、後を追うように病気で亡くなっています。
映画の後は、ひさびさに恵比寿へ。
駅前の「恵比寿らしい」チープな飲み屋で、
ちょっとした“プチ・漢飲み”としゃれ込んだ。
ハイボールは薄すぎ、「百姓ワイン」(380円!)は大味だが、こういうのも良し。
「一銭洋食」があったので頼んでみた。
京都で食べた記憶の中のそれに比べると、オムレツ感に欠けるものの、
なんというかつまみとして正解な感じ。美味しい。
クリムトの後にホルモン焼きとハイボールというのもシュールっちゃシュール。
合コンとホッピーの似合う街。
恵比寿は不思議な街だよねしかし。
映画「クリムト」公式サイト
クリムトの作品たち
恵比寿の飲み屋はここへ