2007年 01月 08日
刑務所+サッカー+ガイ・リッチー=「ミーン・マシーン」
この映画の構成要素は、上記のタイトルのみで表現しきれるほどだ。
すなわち、
刑務所+サッカー+ガイ・リッチー=「ミーン・マシーン」。
(ガイ・リッチーは監督ではなく製作総指揮)。
「ミーン・マシーン」と呼ばれたダニエル・ミーンは、
イングランド代表のキャプテンにまで昇りつめたサッカーのスター選手。
しかし八百長に手を染めるなど堕ちていった彼は、
酒を飲んで警官に暴行、ついに刑務所行きに。
誰もが知るスターである彼は刑務所内でもよく目立ち、
所長には看守サッカーチームのコーチを頼まれる。
そこでミーンは「看守vs.囚人」のサッカーの対抗試合を提案、
もちろんミーンは囚人チームのエース。
しかし11人揃うのか?まずはメンバー集めから始まった!
…みたいな話。とてもシンプルである。
ちなみにダニエル・ミーンを演じたヴィニー・ジョーンズは、
俳優になる前は本当にプロ・サッカー選手だったということで、
ボール扱いがとても上手い(野球のボールでのリフティングのシーンもある)。
サッカー選手から俳優、という経歴で思い出すのはやはり、
元フランス代表で、マンチェスターユナイテッドに君臨したエリック・カントナ。
カントナもなかなかの悪人面だし(失礼)、
主演はカントナでも面白かったかもしれないね。
まあ、彼の演技がどの程度イケるのかは知りませんけど。
「個性豊かな寄せ集めサッカーチーム」と言えば、
あの「少林サッカー」を彷彿とさせる部分もあるけれど、
ああいった「漫画系」ではないです。ボールが炎に包まれたりしないし。
でも、この「ミーン・マシーン」も現実の範囲内でかなり無茶苦茶ではある。
看守と囚人ですからね。囚人にしてみれば日頃の憂さを晴らそうと、
そりゃあ思いっきりアレしたりコレしたりするわけです。痛そう。
しかし実際のプレーに関しては、なかなかテクニカルだったりして面白い。
丸々と太った囚人が、鮮やかなボール扱いをする様は新鮮だったりする。
カットの多いスピーディな映像、そして音楽はやはりガイ・リッチー。
教訓も思想もなく、楽しくゆるく観られる100分間。
いや、教訓は得ようと思えば得られないこともないな。
「警官を殴るのはやめましょう」とか、
「友情を大切にすると、後で良いことがあります」とか、
「どんなやつでもイザとなったら役に立つ(かもしれない)」とかね。
それにしても「ミーン・マシーン」というタイトルだけだと、
何の映画だかわかんないね。
前にウェブで、サッカー映画について調べていたらこの名前が出ていて、
ああ、サッカーの映画なんだと初めて知ったくらいである。
こういうタイトルこそ邦訳して欲しいと思うけれど、
ガイ・リッチーの映画は邦訳しないほうがクール、という解釈なのだろうか。
Lock, Stock and Two Smoking Barrelsなんて、
「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」とそのままだしね。
まあ、長いながらもこのリズム、この音感が良いというのはある。