2007年 02月 25日
鍼
16時半頃に「この後お願いできませんか」と鍼灸院に電話をしたら、
「17時半からだったら大丈夫ですよ」という返事。
家からちょうど鍼灸院まで1時間ほどかかるので、
電話を切ってからすぐに向かった。ちょっとふらふらしながら。
この先生には20代の頃からもう5年ほどお世話になっている。
だいたいいつも月に1回のペースで通っている。長いつきあいである。
先生曰く、今までの中でコリが一番ひどかったのが最初の時、
そして2番目くらいが今回だ、と言われた。やっぱり疲れていたんだね。
それにしても先週末行ったばかりなのだが、もう耐えられなくなったのは、
この1週間がいかに寝不足&ハードだったかということ。
いくらごまかしごまかしがんばっても、身体は嘘をつけないのである。
先生は「響く」という言葉を使うのだが、
身体に鍼をさすと、場所によってかなり「手ごたえ」を感じるところがある。
寝ている僕が背中で感じるので「手ごたえ」というのもおかしいが、
比較的柔らかい肌と肉の奥に、粘土質のような固い層の箇所があって、
そこに鍼が「ズズッ」とささるような感触を覚えるのである。
この「響いた」手ごたえがあると、まるで地下水脈を掘り当てたようで、
コリの核心に届いた気がするのだ。実際、その後は楽になる。
腰と背中、首までかなり念入りにやってもらった。
ここは鍼をさしてから軽く電流を流すタイプの鍼灸院なのだが、
地下水脈に当たった鍼から心地よいパルスを感じるたびに眠ってしまった。
短くて深い眠りが何度も訪れて、じわじわと身体が回復してゆく気がする。
背中じゅうに張り付いていた鈍く固いたくさんの何かが溶けてゆくようで、
大げさでなく、かろうじて、なんとか命を継いだ感じ。
仕事でMacを使うようになり、2.0あった視力は0.2になった。
鍼にも最低月に1回は通っている。お金だってばかにならない。
まったく労災が下りて欲しいとすら思う。
例えば南の島で何もせずのんびり生きていたら、
これほどまでに治療が必要な身体にはなっていないはずである。
まあ、冗談ですけど。でも、半分くらいは本当にそう思う。
それにしても、と治療中に先生が言った。
それにしても鍼を最初に打とうと思った人はすごい人ですよね。
確かにこれはすごい。だって身体に鍼を入れるんだよ。
刃物を深く刺したら明らかに死んでしまうだろう人体にだよ。
まあ、鍼の起源はもともと尖った石だそうだし、
つらいところを何かで押したら気持ちがいいくらいはわかるが、
それを尖った物を奥までぶっ刺してしまおうというのが大したもんである。
でも死んでしまったら困るから、最初は罪人で試したのかしらん、
とか何とか考えようとしてみたが、とにかく鍼が効いていて思考停止。
ぼーっとしながら電車に乗って帰りましたとさ。
そして、さっそく今日は午後から休日出勤だったりする。
鍼に行っといて良かったなあ。