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BOXING.

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ここは聖地・後楽園ホール。
特等席でボクシングを生観戦してきました。

初めて見るボクシングのリングは、
スポットライトに浮かび上がってすごく綺麗に見える。
そしてボクサーはもっと綺麗だ。
ストイックな減量とトレーニングで、
極限まで無駄をこそぎ落とした若くシャープな肉体。
それをまとうのは「相手を倒す」というシンプルな意志だけだ。
なにしろ美しくないはずがないのである。

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今回は「モンスター賞金マッチ」と銘打たれ、
強豪に挑戦者が挑むというマッチングとなっている大会である。
もちろん青コーナーがチャレンジャーであり、
僕らの席はその青コーナーの花道の脇にあった。
挑戦者が目の前を通ってリングへと向かう。
そこらを歩いているだけでは一見華奢に見える選手たちが、
リングに上がると立派な戦士としてぐっと大きく見える。
そのギャップが不思議だった。
そんな土曜日の後楽園ホールは、
素性のしれない人種であふれていた。

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「尊敬する選手」に判定で勝ち、リングを下りてくる選手。
応援団に祝福を受け、嬉しそうだ。
この日は派手なKOシーンというのはほとんどなく、
6ラウンドや8ラウンドをフルで闘うという試合が多かった。
なんだかんだとトータル5時間近くも観ていただろうか、
時間だけを思うなら途中で飽きてしまいそうなものなのだが、
まったくそんなことはなかった。最後まで熱中して観ていた。

ボクサーは、休まない。
試合中のボクサーは一瞬たりとも気を抜くヒマがない。
わざと転んで時間を稼ぐこともできないし、
タイムをかけることも不可能だ。
そんな「真剣の斬り合い」のようなリング上の緊張感が、
観客の時間を止めるのかもしれない。

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最前列の席に座っているので目の前に手すりがある。
よく見ると、小さなへこみがいくつもあった。
興奮した観客が、ここを叩くことで出来たへこみなのだろう。
これもまた後楽園ホールの歴史と伝統のひとつなのだ。

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この日のメインは渡嘉敷ジムのホープ・
元東洋ライトフライ級王者・現世界9位である山口真吾選手の登場。
素人目に見てもパンチはコンパクトで速いし、動きもシャープ。
そしてライトフライ級ってことは50kgに満たない体躯のはずなのだが、
とてもそうは見えないほどにパワフルな印象があった。
重そうなパンチの音が響き渡る。
試合は10ラウンド闘い抜いて山口の3-0判定勝ち。

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間近で見たボクシングは素晴らしく迫力があった。
それは見た目というよりも、リング上で斬り合う選手たちの真剣さが、
客席にまで伝播する、そんな感じ。独特の緊張感があった。
特等席にご招待いただき、友人には感謝しきりである。

試合後、さっきまでリングにいたボクサーが、
着替えてそこらで談笑しているのも新鮮ではあった。

帰りの通路、タバコの煙で真っ白な中を通っていった。
ホールのある青いビルを一歩出ると、
この日はドームでKAT-TUNのライブがあったことで、
とにかく「そういう」女性でいっぱいだ。
ドームシティのデニーズも「そういう」女性でぎっしり。
こりゃもう「KAT-TUNデニーズ」だ。
見ると水道橋あたりの飲み屋は「KAT-TUN爆音」という看板を出すところ多数。
つまり店内に大音量(爆音)でKAT-TUNを流していますので、
ライブの余韻に浸りながら飲むのはどうですか、というわけだ。
これを商売上手と言わずしてなんという。
ストイックな男の殴り合いと、アイドルへの嬌声。
おそらくは決して混じり合うことのない、
両極端な世界の共存が見られた水道橋の夜だった。

あ、やっぱりこういうの見ると血って騒ぐもので、
帰りにゲームセンターでパンチングボールを叩いて帰りました。
by shinobu_kaki | 2007-06-17 00:32 | ライフ イズ

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