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男はそれを我慢できない。

ひどい時には缶ビールを1本飲んだだけでももう駄目で、
これから風呂に入ったり歯を磨いたりしなければいけないのに、
このままベッドに倒れ込み阿呆のように眠れたらどんなにいいかとばかり、
さながら砂漠の遭難者が水を欲するかのように身体が睡眠を欲している。
まあ一言「最近すげー眠いんだよね」とカジュアルに書いてもいいのだが、
そこはそれ、いわゆる言葉遊びの範疇なのである。
遊びと言えば、脳内メーカーという遊びがあったけれども、
あれでいうと、そんな時の僕の頭は全てが「眠」の文字一色で、
他の要素の入る余地のないシンプルな状態に近い。
そして、やっぱり体力が落ちているんだなあと感じる。
今日は6時間ほど眠れたからずいぶんとマシだけどね。

先週末に籍を入れ、お祝いに感激したり、
さはさりながら仕事に勤しみ、途中途中で本を読んだり料理を作ったり、
ふと気づくともう金曜日で、あっという間の一週間だった。
こんな感じでやっているとおそらく、
あっという間の一ヶ月であり、あっという間の一年十年、
あっという間の一生なのかもしれない。
ことさらにここ数年は時間の経過が早いように感じるが、
それは行きよりも帰り道が早く感じられるあれと同様で、
全体の中での一部として相対的に短く感じられるからであろう。
20歳にとっての5年と35歳にとっての5年は、
同じ5年でも感じられる長さが違ってくるはずである。
「4分の1」の歳月と「7分の1」の歳月という比較になるからだ。

時間はもとに戻らないし、日々は取り返しがつかない。
徐々に、しかし確実に迫ってくるであろう「死」への実感は、
ほとんどの人が忘れたかのように持つこと無く過ごしている。僕だってそうだ。
おそらく、人はそういうふうにインプットされているのではないかと思う。
有名なラテン語で「メメント・モリ」(死を想え)という言葉があるが、
生の高まりを感じる時にこそ終わりを感じるということ、
ともすれば永遠不滅に感じることすらある「生」を振り返り、
その傲岸不遜を取り払って謙虚さを取り戻すこと、
そういった「装置」としての考え方、ロジックのように感じる。

ちょっと前の話になるが、老衰で死んだ政治家がいる。
宮澤喜一である。享年87歳だったのだが、老衰というのが新鮮だった。
だいたい何がしかの病気にかかって死ぬのが一般的な人間なのだが、
老衰というとなんか「大往生」という感じがする。
特に宮澤はその風貌や政界での影響力を考えると妖怪的ですらある。
87年間も、しかも政界の第一線で生きてきた彼ゆえにエピソードには事欠かなく、
前も書いたけど英語が堪能と言われながら、
それが故にクリントンとのやりとりの中で致命的なミスを犯したり、
サッカーが好きで日韓ワールドカップ招致に実は尽力していたり、
すごく酒癖が悪く酔った席上で暴言を吐いたりとかの話が残っている。
それにしても個人的にひっかかったのは、
宮澤を重用していた夫の白州次郎に対しての白州正子のコメントで、
「結局あの人(次郎)は、人を見る目がなかったのね」というものだ。
白州正子にダメ出しされるのって、なんかものすごく嫌ですね。
ほんとにダメな感じするものね。「目利き」と言われる人は怖いよなあ。
by shinobu_kaki | 2007-07-13 08:08 | ライフ イズ

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