人気ブログランキング | 話題のタグを見る

決め手は個の力。天皇杯準決勝2試合

外出から帰ってから、時々泣き出す娘をあやしながらテレビ観戦。
ちんたらとレビューしてみる。


柏レイソル 2-1 FC東京

こちらは後半途中からしか観られなかった。
交代出場のフランサと李がそれぞれゴールを決めて逆転と、
ハマり過ぎの采配で柏が勝利、フランサの1得点1アシスト。

「こんなに守備をしないFWは見たことがない」(「サッカー批評」より)
などと言われるフランサは、現代サッカー的ではない。
運動量もスピードもなく、怪我も多いし、調子の波も激しい。
だがフランサには一瞬のチャンスを察知する能力と、
絶対にボールを奪われない、世界トップレベルの「鬼キープ」がある。
まさに個の力で、試合を決めてしまったレイソルだった。
決勝でも、フランサがいかに力を発揮できるかがポイントになるだろう。


ガンバ大阪 1-0 横浜Fマリノス

ACL、CWCを経てすっかりおなじみになってしまったガンバ。
ガンバに限らず強いチームというのは戦略と戦術、
そして個人の能力が上手くミックスされているものだ。

だがこの日のガンバは、遠藤の不調や二川の欠場、
何よりチーム全体の疲弊が垣間見えて、動きはすごく悪かった。
というかマリノスの動きがすごく良かったのである。
恥ずかしながら僕はマリノスの試合をほとんど観ていなかったので、
試合前に発表されたスタメンのほとんどを知らなかった。
中澤、田中隼磨、榎本くらいは知っていたが、
あとは名前だけは…という程度の認識度だった。

しかしマリノスのサッカーはとても小気味よく、素晴らしいと思った。
動きの量と動きの質、人数をかけてボールを奪い素早く展開するサッカーは、
(疲れていたとはいえ)アジア王者のガンバを完全に圧倒していた。
日本代表DFの中澤は相変わらずの鉄壁さを見せていたし、
実はDF(!)だというDFのキム クンファンは193cmの長身ながらよく走り、
危険なシーンを演出していたし、何より銀髪の狩野は上手い選手だと思った。

そしてガンバは、足を痛めていた遠藤が途中交代で退いた。

試合を圧倒していたマリノスに足りなかったものは得点だけだった。
しかし得点できなければ勝てないのがサッカーである。
試合開始直後からマリノスの小気味の良いサッカーに魅了された僕は、
このゲームをマリノス側の視点で観ていたので、もどかしかった。

マリノスは交代出場の山瀬が入り、
中距離からのシュートが期待できるようになったが、
もともと足を痛めていた山瀬はプレー中にまた負傷し活躍できなかった。
もう一人の交代選手・清水はよくボールに絡んではいたが、
途中出場ながら早々と2枚のイエローをいただいて退場した。
足の止まってきたマリノスはガンバのMF寺田のスピードを捕らえられない。

そして延長後半、その寺田の斜めのドリブルからFWの山崎が抜け出し、
マリノスのゴールをついに破るのである。

山崎といえばCWCのマンチェスター・ユナイテッド戦において、
逆襲の1点目と、橋本へのアシストを記録した選手である。
スピードも決定力もあり、何より大舞台に強い心臓がある選手という。
最近の山崎は、日本代表に選出されてもおかしくないインパクトがある。

マリノスとは対照的に、個人の決定力で試合をものにしたガンバだった。
守備や展開においてはマリノスが素晴らしかったのだが、
「得点」という最後のポイントにおいてはやはり個人がものを言う。
あの延長後半、あれだけの動きを最後に見せた山崎の力が試合を決めた。

元旦は柏レイソルとガンバ大阪の決勝だが、
遠藤は怪我の具合からみて出場は難しそうだということだ。
チームの頭脳であり心臓である遠藤がいないと、ガンバはきついよね。
by shinobu_kaki | 2008-12-30 07:40 | さかー考

移動祝祭日


by Shinobu_kaki
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31