2009年 02月 05日
チャゲ&飛鳥と僕。
CHAGE and ASKAが無期限活動休止
だそうです。
CHAGE and ASKA(以下、チャゲ&飛鳥)については、
僕は特に熱心に聴いていたわけでもないし、
それどころかアルバムやシングルの1枚も買ったことがない。
というわけで自分にとってそれほど近くにいるアーティストではないわけだが、
飛鳥涼のあの独特のねっとりした歌い方と、
ドラマやCMで少なくない露出のあった数々の曲は忘れられない。
チャゲ&飛鳥はちょっとジャンル分けが難しい。
Wikipedia CHAGE and ASKAには、
「デビュー当初は「フォーク演歌」とも呼ばれるような作風だった」
とあり、これは言い得て妙だよね。
デビュー曲の「ひとり咲き」や「万里の河」などがそれにあたるだろう。
年月を経るごとにずいぶんとモダンになっていったチャゲ&飛鳥だが、
誤解(というより一部の人の反感)を恐れずにあえて言えば、
その変遷は「田舎の人が垢抜けていく」プロセスを感じさせる。
もともと彼らは、ルックスを含め、根っこがどこか土着的なのである。
例えば近所の商店街で2人一緒に買い物をしていてもあまり違和感がない。
ジャンルの話に戻るが、そんなチャゲ&飛鳥は少なくとも、
「ロック」という感じじゃないし「ブルース」があるわけでもない。
「歌謡曲」が近いのかもしれないが、そう言い切ってしまうには違和感がある。
「ポップス」はジャンルというには言葉自体の定義づけがそもそも微妙である
(例えば「純文学」なんかと似た性格の言葉だと僕は思う)。
そう言えば当時は「ニューミュージック」という言い方があったが、
この言葉自体、何も言っていないに等しく、ほとんど意味がない。
まあ、そんなことを言い出したらサザンとかもジャンル分けが微妙ですけど。
サザンと言えば、やはり桑田佳祐のあの歌い方である。
最近は行くこともほとんどないカラオケだが、
カラオケでサザンを歌う人は、絶対に、数%という微小な割合であろうと、
「桑田佳祐のモノマネから逃れられない」と思う。
これは昭和を主戦場としてきたシンガーたちの曲に多い現象だと思う。
そのアーティストの歌を素人がカラオケで歌う場合、
井上陽水の、玉置浩二の、大友康平の、カールスモーキー石井の、
そして飛鳥涼の独特の歌い方から完全に逃れるのは困難なのである。
これはしばしば「けれん味」という言い方で形容される種類のものだが、
実にこの「けれん味」たっぷりの歌い方も「込み」で、
彼らの楽曲は成立しているのではないかとすら思わせるのである。
そうそう、チャゲ&飛鳥と言えば、
三谷幸喜のエッセイ「オンリー・ミー 私だけを」に収録の、
チャゲ&飛鳥についての文章が面白いです。嘘八百で。
「WALK」(という曲)がマンボウをイメージさせるってのはわかるなー。