カテゴリ:最初の一皿、最後の一杯( 150 )

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自宅の定位置、パソコンの前である。

リビングの一角の間接照明エリアが、
自宅における自分のメインゾーンと言うべきものなのだが、
そこでパソコンをお供に一杯飲むのが平日の慰め的楽しみなのである。

ウッドのテーブルに見えるものは、
二段になっているただの棚で、
これは僕が東京に住み始めた頃からの付き合いだから、
実に20年ほどの物持ちになる。これはすごい。

その20年の間に、
二子玉川・高津・恵比寿・荻窪・田園調布南ときて、
今住んでいる郊外の街までこの家具は生き存えてきた。
なかなか大したものである。
ここまでくるとそれなりに愛着もあったりする。

モノや人には歴史があるが、
それは振り返った過去になってみないと歴史だとわからない。
だがもちろん、今こうしている瞬間がいちいち歴史になるのだ。

「今」というのは常に過ぎるものでありながら、
瞬間的には世界のすべてという、なんだか不思議なものである。
by shinobu_kaki | 2013-08-30 01:04 | 最初の一皿、最後の一杯
僕も今週一杯は夏休みである。

実は日曜からこの週の前半にかけて北海道に家族旅行に行ったのだが、
そちらのほうはさておいて、
先日行った近所のすた丼屋のほうを書くのである。


まあ贔屓目に言っても外食激戦区とは言いがたい我が家の周辺だが、
新規オープンということもあり、このすた丼屋はいつも賑わっている。
チェーン店であり、渋谷などにあったりもするので、
まあ「間違いがない」という感じだろうか。
夏休みの後半、昼にぽっかりと空いた時間に食べに行ってみたのだった。

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これです。
いわゆるレギュラーサイズのすた丼。
男らしく豚バラとわずかのネギ、そして強烈なニンニク。
あとはちょこっと海苔があるくらいで、実にシンプル、実に男らしい。

詳細はこちらのデイリーポータルZあたりを見て頂くとして、
結論から言うと満足感がすごくある。
ちゃんと美味いし、とにかくボリュームが素晴らしい。
初心者の謙虚さで、初めからサイドメニューをつけたり、
「肉増し」「飯増し」といった暴挙に走りはしなかったが、
もしかしたら胃袋的にはもう少し食べられたかもしれない。
でもまあ食事だからね。なんかに挑戦してるわけじゃないから。

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11時半前後という少し早い時間に入ったんだけど(しかも平日)、
あっという間に満席になったのは少し驚いた。
駅前から徒歩7〜8分と、少し離れた立地だからね。
客層は「男子学生」か「トラックの運転手系の職業の人」がほとんど。
いかにもガテンクラスタといった風情の人間で埋め尽くされた。
店内にはレディースセットなるポスターもあったのだが、
女性客は僕のいた時間では一人としていなかったな。

ラーメンやギョーザといったサイドメニューも充実してたけど、
個人的にはノーマルのすた丼一品で十分に満足のいくものだった。
あ、ミニサラダってのがあって、他の客が頼んでいたのを見たけれど、
全然ミニじゃない量なのに笑った。さすがだ。

某筋からの情報によると、チャーハンが凄く美味いらしい。
一度試してみたい。
ちなみにチャーハンと言えば、
このすた丼屋の道を挟んだ向かいに中華料理屋があって、
そこは地元で屈指と言われるチャーハンの美味い店なのである。
どちらが美味いか楽しみだなあ。
by shinobu_kaki | 2011-08-06 15:19 | 最初の一皿、最後の一杯

ある課長の告白。

数年前の4月の夜、
僕は西麻布にある「かおたんラーメン」に夕食を食べに行った。
「かおたんラーメン」は青山墓地の近くにあり、
僕の勤める会社からも徒歩で行ける。およそ10分くらいかな。
歩くのにちょうどいい距離と、
夜風がさらさらと吹き、確か桜も咲いていた。
青山墓地は桜の名物だからね。夜の散歩がてらとしては悪くない。
ラーメンを食べよう。
食べたらまた歩いて会社に戻り、仕事の続きを少しだけやろう。

久しぶりの「かおたんラーメン」はそこそこ混んでいて、
僕は奥のテーブルで他の客と相席することになった。
まあ、そうは言っても屋台に毛の生えた、と言っては失礼だが、
とにかくカジュアルな店ではあるので、
相席といってもそれは非常に自然な感じがした。
僕は5〜6人の見知らぬ団体客と同じテーブルに座り、
ビールと、ラーメンを注文した。
そしてバッグから文庫本を取り出し、
ビールをちびちびと飲みながら待つことにした。
一人の時の時間つぶしは本でも読むに限るのだ。

その団体客はみな30代以上のように思われた。
女性も2人ほどいたんじゃなかったかな。
僕は時々ビールを口に運びながら、
時おり笑い声の混じる彼らの会話をBGMとして、
黙って本のページをめくっていた。

ふと、相席の団体客の談笑が止んだ。
中でも一番年配らしき「課長」と呼ばれる男性が、
それまでとは少し調子を落としたトーンで、
「実は俺さ」と話し始めたからである。
相席なので僕の2メートル以内に課長はいる。
僕もついつい聞いてしまう。

「実は俺さ…」
「なーんですか課長、あらたまって」
「声が暗いなあ」
「…いや、実はちょっと大事な話なんだ」
「えっ、大事な話って…」
「まさか」
一同が息をのむ。
ごくり、という喉の鳴る音が聞こえるかのようだった。
僕は本を読むフリこそしていたが、
もはやいわゆる「耳ダンボ状態」で、
課長の告白に耳を傾けていた。
「…ちょっとちょっとやだなあ課長、やめてくださいよー」
「そうですよ一応お花見の席なんですから」
ここで思い出した。
やっぱり青山墓地には桜が咲いていたのだった。
お花見シーズンと言われる季節の夜だったのである。
「…うん、わかる、でもいい機会だし、
こんなにみんなが集まってるというのも貴重だしな、
実は…俺は会社を辞める事になった」
「ええっ」
ざわめき。
思わず僕も「えっ」と声を上げそうになってこらえた。
課長、辞めちゃうんですか?知らない人だけど。
「課長、辞めちゃうんですか?本当に?」
「ちょっとそれ悪い冗談ですよ、今のプロジェクトどうするんですか」
「もちろん今すぐにじゃない、引き継ぎはちゃんとやる、
でも、それほど先じゃないよ、もう決めた事なんだ」
「…課長!」
比較的若いと思われる女性が少し大きめの声を上げた。
「課長!私たちはみんな課長について来たんですよ!」
「そうですよ!」
「こんな中途半端な時期に辞めるなんて、困るし、第一、嫌です!」
「すまん」謝る課長。
「冗談じゃないですよ、課長、辞めないでください」
「辞めないでくださいよ」
僕からも辞めないでください、と言いそうになるのをこらえる。
「…すまん」
課長が口をひらく。
みんなが黙って課長の次の一言を待った。
「すまん、実は…嘘だ」
「えっ」
「嘘?」
「嘘なんですか?」
「だって今日は四月一日じゃないか」
そうだった。この日はエイプリルフールだったのである。

にわかに面々に安堵の表情がこぼれる。
途端に弛緩した空気がラーメン屋内に横溢する。
「なあ〜んだ〜」
「いやーびっくりしましたよー」
「一本取られましたよ課長!」
「課長も人が悪いなあ」
「いやーすまんすまん、こういうことができるのも一年に一回だからなあ」
課長が人の良さそうな笑みでワハハと笑うと、
一人だけ見知らぬ男の混じったテーブルは、ふたたび柔らかい空気に包まれた。
さっき誰かが言っていたように、
このメンバーは皆この課長を慕っているらしかった。
それにしても、と僕は思った。
それにしてもこんなベタなネタをリアルで聞くのは久しぶりだな。

僕はこのメンバーを密かに「チーム課長」と名付けすると、
いつの間か食べ終わったラーメンの丼を置いて、
音もなく相席のテーブルを後にした。
背後からはまだチーム課長の談笑が聞こえる。
夜も更けた。外には春の夜風と白い夜桜が舞っているのだろう。
だが勘定を終えて「かおたんラーメン」の扉から覗きこむ外には、
ただ、黒洞々たる夜があるばかりであった。

僕の行方は、誰も知らない。



※羅生門ラスト関連エントリ
或昼鼎男、対酒当歌。
by shinobu_kaki | 2011-05-16 19:37 | 最初の一皿、最後の一杯
まあ、普段なら有機食材ってガラでもないんですけど、
バイキング形式であることや、
きちんと育てられた野菜などの食材は美味しいという事は知識としてあったので、
前から気になっていたお店へ家族で行ってきた。

店の名前は「野の葡萄」。
メニューはこんな感じ(一例)。

置いてある献立は店や日によって違うんだろうな。
サイトにあるのとはまたちょっと変わっていたけれど、
とにかく種類が豊富で目移りするほどなのと、
やっぱりね、ひとつひとつの料理が美味いと思った。
久しぶりに食べ過ぎたものね。

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写真手前にあるのは冬野菜の天ぷらってやつで、これがかなりヒット。
サクサクカリカリしていて、多岐にわたる種類の中で、
こればっかおかわりしてしまったぐらいツボにはまった。
米もみそ汁も当然美味いし、デザートの豆乳ロールケーキも非常に良かった。
バイキングで食べ放題ということもあり値段が一人1600円。
つつましく暮らす我が家においては毎週行くというわけにはいかないけれど、
後をひく満足度で、また近々行こうと約束した次第。

もともとホテルなんかのバイキングが凄く好きなんだよね。
なにしろ楽しいし。
久しぶりにそれが体験できて、非常に満ち足りた日曜のランチでした。
by shinobu_kaki | 2010-02-14 23:26 | 最初の一皿、最後の一杯

父の日とんかつ。

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すごく美味しいのを作ってもらいました。
祝ってくれて、2人ともありがとうね。

なんだかんだと幸せもんです、僕は。
by shinobu_kaki | 2009-06-21 20:32 | 最初の一皿、最後の一杯

歌う。

かつて誰もがカラオケに興じた時代があった。
僕だって例外じゃない。
気の会う友人と飲みに行った時の「3次会」は必ずカラオケだったし、
金曜の夜に、始発を待ちながら思う存分歌うこともあった。
何より僕自身、歌うことがとても好きだった。
場所の頻度としては圧倒的にカラオケボックスで、
カラオケスナックはもっと年かさのいった人たちの娯楽という感じだった。
最近は歌いに行くことはない。
そもそも外に飲みに行くことがほとんどない。
すっかり「パパ・モード」という感じで、
酒がなくとも生きて行けると言っても過言ではない。
独身時代とえらく違う。
もちろん、酒にまつわるどこかルーズな文化というのは好きなのだが。
(…ああ、寝室で娘が泣きだした。)

こんな話をするのは、
iTunesで流れている懐かしい曲のせいかもしれない。
いつかカラオケで何度も歌った曲たち。
パソコンの前で晩酌のビールを気持ちよくあおりながら、
軽く口ずさみ、時には歌ってみたりする。

歌はフィジカルに気持ちがいい。
歌うことは非日常だ。
歌は人の心を軽やかにする。
歌を歌えるくらいの余裕が、人生には欲しい。

春の週末はこうして歌とともに暮れてゆく。
by shinobu_kaki | 2009-03-29 22:48 | 最初の一皿、最後の一杯
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夕立が来るのを待っていた
by shinobu_kaki | 2008-07-13 22:30 | 最初の一皿、最後の一杯
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今日は結婚1周年ということで、
フレンチレストラン「エル・ダンジュ」に行ってきました。

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ここは丘の上にある小さなレストラン。
郊外の小さなお店ながら、ネットで見る評判はナカナカ。
僕らも初めての訪問です。

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いわゆる一軒家レストランというタイプで、
こじんまりとした雰囲気、窓が多く、あしらわれたグリーンが爽やか。
スタッフの物腰も気持ちよく、とても快適な空間という感じ。

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ランチは2種類から選べます。もちろんアラカルトもあり。
2人とも同じ、お肉のコースを頼んでみました。
肉が、食べたかったのでしょうね。
ふんわりと柔らかい豚肉がすごく美味しい!

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予約の時に伝えてあったので、
デザートで結婚記念日を祝ってもらいました。
デザートは3種類からのチョイスが可能で、僕はプリンを。

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こちらはヨメのプレート。

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店内は女性率が非常に高かった。
まあ、男女のデートであればどちらかというと夜だろうし、
男同士でフレンチに来るケースもあまりないと思われるので(ないよね)、
必然的に女性同士でフレンチを楽しむ客が多くなるのでしょう。
ちなみに僕らの席の横には、娘とお母さんとおばあちゃんの3世代が、
とても仲良く食事を楽しんでいました。素敵です。
また、そういったあたたかいシチュエーションが似合う店でもある。

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感想としては、料理も非常に美味しかったし、
ぜひまた来たいと思った。
あと、お店のスタッフはみな若く見えるのだが、
サーブの仕方や間合いが気持ちよく、
ホスピタリティって大事だよなあ、とか思わされたのでした。
良い店だと思います。また行こう。オススメ。


エル・ダンジュ

東京都多摩市連光寺3-18-3コートビレッジ桜ヶ丘
TEL:042-357-4080
営業時間ランチ:11:30〜14:00(L.O.) ディナー:17:30〜21:00(L.O.)
エル・ダンジュ ホームページ
by shinobu_kaki | 2008-07-05 21:00 | 最初の一皿、最後の一杯
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多摩センター近くのバス停を降りると、
緑に囲まれた何もない道で、そこから徒歩3分の場所にある。
イタリアンレストラン「PARADISO」。

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お抱えの菜園があるらしく、自然派嗜好の店である。
そして何より、ロケーションが素晴らしい。

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すぐ前には同じく自然食レストランである、
アスタナガーデンがある。
(なぜか「ぐるなび」のリンクを貼る)。

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自家製パン、サラダ、カポナータのせトマトパスタに、デザート。
優しい味で美味しい。

天井が高く、午後の陽射しの射し込む明るい店内で食事。
夜は夜で夜景が綺麗なのだという。

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自然食レストランに行こうと思ったのは、
ヨメのお腹でじわじわ大きく育っている子供の事を思ったからでもある。

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ま、あとはせっかく引っ越したのだから、
新しい土地の美味しいものを食べに行こうという趣向だ。

それにしても写真だけアップしてキャプションをつけない、
というのは気持ちの悪い状態である。
どう思いますか?僕はなんとも決まりが悪い感じがしてしょうがない。
じゃあすぐにキャプションつければ、と言われそうだが、
おっくうさ、というのは意外に難敵なのである。

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話題を変えよう。
いつも思うのだが、都心に比べてこちらは人口密度が低い。
つまり、人が少ない。
でも寂しいというほどではなく
(寂しいというなら前の家の周辺のほうがよほど寂しい)、
適度にのんびりと快適、といった感覚である。
子育てにはいいかもしれない。

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あ、この写真は家の近くのバス停から見える竹林。
見ると、竹の子がいくつも生えだしている。
ワイルドというか何というか、すごいね。


天気のイマイチな今年のGWも、あと一日を残すのみ。
明日は天気がいいらしい。降水確率0%。
遠出のバカンスとも帰省ラッシュとも無縁な、
静かでのんびりした連休が過ぎて行く。
たまにはこういうインドアなのもいい。
by shinobu_kaki | 2008-05-04 17:30 | 最初の一皿、最後の一杯

六本木でクリスマス。

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クリスマスは六本木にいました。

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日比谷線の出口は六本木ヒルズ。
今年は赤いイルミネーション、それにしても寒かった。
箱を積み上げたような、可愛いツリー?

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食事の後はミッドタウンまで少し歩く。やっぱり寒い。
しかし人が多いね。
これは中央の「プラザ」をデコレートしていた装飾。
派手だなー。

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ガレリアの中を通って、檜町公園のほうへ。
なんかツリー状のイルミに人が群がっていた。
僕たちも行ってみたけれど、結局なんだかよく分からなかった。

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並木が彩られる。綺麗だねー。

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一面に敷き詰められたLED。これは使い方として上手い。
あんまり見たことのない光景を作ることに成功している。

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中庭が望める、シックなレストラン。いいね。

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どこからかベルの音。見ると、学生らしき女性達がずらりと並んで、
クリスマス・ソングを見事に演奏していた。でも、寒そう!

ディナーは中華でした。
by shinobu_kaki | 2007-12-26 02:06 | 最初の一皿、最後の一杯
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